研究課題/領域番号 |
20H00209
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
高井 研 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門, 部門長 (80359166)
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研究分担者 |
渋谷 岳造 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 主任研究員 (00512906)
藤島 皓介 東京工業大学, 地球生命研究所, 准教授 (00776411)
北台 紀夫 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 副主任研究員 (80625723)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
2022年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2021年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2020年度: 23,140千円 (直接経費: 17,800千円、間接経費: 5,340千円)
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キーワード | 生命の起源 / 化学進化 / 液体・超臨界二酸化炭素 / 深海熱水 / 相分配 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究グループは、「生命誕生の場=深海熱水」説の弱点を克服する化学進化の場として液体もしくは超臨界二酸化炭素に着目し、「熱水ー海水境界での化学進化プロセスに加え、液体・超臨界二酸化炭素中および海水との境界で、疎水性および両親媒性有機物の濃縮および高分子化・組織化が進行した」とする新しい深海熱水環境での化学進化シナリオを着想した。本研究ではこの仮説を検証するために、再現実験とモダンアナログ現場調査を通じて、液体・超臨界二酸化炭素中や液体・超臨界二酸化炭素と海水との共存状態での、生体構成無機材料あるいは有機高分子材料に対する溶解・分配・高分子化や組織化に至る化学反応特性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、実験室内再現実験と初期地球のモダンアナログである深海熱水域の現場調査の2つのアプローチから、初期地球の深海熱水域での化学進化プロセスに果たした液体・超臨界二酸化炭素(L-CO2・SC-CO2)の役割解明を目指した。再現実験を通じて、L-CO2やSC-CO2が生体構成無機材料あるいは生体高分子材料の溶解・分配・高分子化に大きな影響を与える証拠を得た。また本研究で開発した装置を用いて深海熱水域での純粋液体・超臨界二酸化炭素の採取と溶存揮発成分や無機化合物の計測に成功した。「液体・超臨界二酸化炭素化学進化モデル」の提唱論文を発表し、本研究の重要性大きく喧伝することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「生命は地球のどこでどのように誕生したのか」という問いに対する学術の到達点は、約100年に及ぶ生命の起源研究を経て、現在2つの有力なシナリオ、「生命誕生の場=深海熱水」説と「生命誕生の場=陸上温泉」説、に集約されようとしている。本研究は、この2つの対立仮説の優位性を決定づける大きな概念と科学的証拠を提示した。超1級の科学命題の最高到達解の提示に日本の研究者が大きな貢献を果たすことは我が国の学術の発展に大きく寄与することであり、その成果や足跡は次世代の研究者の進むべ方向性や目標となることが期待できる。
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