研究課題/領域番号 |
20H00217
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 教授 (50294260)
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研究分担者 |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
大野 宗一 北海道大学, 工学研究院, 教授 (30431331)
安田 秀幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (60239762)
坂根 慎治 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 助教 (70876755)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
2022年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2021年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2020年度: 20,540千円 (直接経費: 15,800千円、間接経費: 4,740千円)
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キーワード | フェーズフィールド法 / 高性能計算 / データ同化 / その場観察 / 凝固組織 |
研究開始時の研究の概要 |
凝固は多くの金属材料の製造において普遍的現象であり,凝固過程で形成される材料組織の高精度な予測と制御が材料特性を大きく左右する.本研究では,フェーズフィールド計算と大型放射光施設SPring-8による3次元その場観察実験を,データサイエンスを通して完全に「一体化」する革新的な計算・実験一体化技術を開発する.このためには大規模フェーズフィールド計算が不可欠であり,これを可能とする先進的フェーズフィールドシミュレータを開発する.構築する手法を,代表的な凝固組織に適用し,凝固組織の形成過程を初めて緻密に定量化する.これにより,凝固現象の学理を革新し,新材料開発にむけた基盤を創造する.
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研究成果の概要 |
GPUスパコンによる高性能phase-field (PF)計算とSPring-8によるその場観察実験を,データ同化を通して完全に「一体化」する,計算と実験の革新的一体化技術を開発することを目的に研究を行った.まず,液相流動と固体運動を伴うデンドライト成長PF計算を大規模かつ高速に実行可能な先進的PFシミュレータを開発した.計算と実験の一体化は,アンサンブルカルマンフィルタを用いたデータ同化により達成し,これを大規模かつ高速に実行するためにGPUスパコン上で並列化した.また,柱状晶と等軸晶を形成するデンドライト成長問題に対する双子実験を行うことで,構築したデータ同化システムの有用性を確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,従来個々別々に行われてきた計算と実験を一体化し,それぞれの手法の課題を相補的に解決することで,金属材料の特性を決定する凝固組織を高精度に予測する革新的手法を開発することを目的に実施された.一体化手法としては天気予報等で用いられるデータ同化を材料分野に応用した.日本が得意とする高性能計算と大型放射光施設SP-ring8によるその場観察の,両最先端技術をデータ同化によって一体化する手法開発を行ったことに学術的意義がある.本研究で開発した手法は,材料開発の高度化および高速化に寄与し,将来的に低炭素社会に向けた貢献が可能であるという点において社会的意義がある.
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