研究課題/領域番号 |
20H00218
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久保田 祐信 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (50284534)
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研究分担者 |
駒崎 慎一 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (70315646)
ステイコフ アレキサンダー 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 准教授 (80613231)
薦田 亮介 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90801308)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
46,800千円 (直接経費: 36,000千円、間接経費: 10,800千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2020年度: 32,240千円 (直接経費: 24,800千円、間接経費: 7,440千円)
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キーワード | 水素 / クリープ / スモールパンチ試験 / 中空試験片 / 荷重/応力変換式 / 密度汎関数理論計算 / 分子動力学 / スモールパンチクリープ試験 / 荷重/応力変換算式 / 密度班関数理論計算 / 高温水素機器 / オーステナイト系ステンレス鋼 / 純鉄 / 転位 / DFT / 空孔 / 高温 |
研究開始時の研究の概要 |
水素の大量利用の実現は,CO2排出量の削減や再生可能エネルギー利用の増大につながり,また水素価格の低減にも必要と考えられている.核となる技術は,SOFC(高温型燃料電池)やSOEC(水蒸気電解セル)であるが,これらのエルネギー-物質変換デバイスは高温水素環境で動作するために,装置を構成する構造材料も非常に攻撃的な環境に置かれる.しかし,高温水素中の材料強度劣化現象とそれを引き起こすメカニズムには未解明の部分が多く,これらを理解する基礎科学を確立する必要がある.本研究の成果により,将来の水素社会の安全と安心に貢献したい.
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研究成果の概要 |
水素利用の拡大に役割が期待されている高温水素に対して,水素によるクリープ寿命低下の機構解明と高温水素中クリープ試験を比較的容易に実施できる実験技術開発に取り組んだ. 工業用純鉄の水素中クリープ試験を実施し,水素はクリープ変形機構を変えずに変形を加速させる機構が働いているという推論に至った.計算的アプローチによって,水素は空孔の移動に必要な活性化障壁に影響を与えないという上述の機構の考察に重要な結果が得られた. SUS304鋼の微小ディスク試験片での水素中クリープ試験を実施し,この試験方法が水素の影響評価に利用可能であることを明らかにした.中空試験片の水素中クリープ試験への適用性を検討した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2050年までのカーボンニュートラル達成に向けて,高温水素利用技術に期待がかけられている.一方,高温水素中で材料強度特性が悪化する現象としてクリープ寿命の低下が報告されているが.その機構は未解明である.さらに,クリープは長時間の評価が必要であり,簡便に行える水素中クリープ試験の開発も必要である.本研究は,水素がクリープ変形を加速する機構の解明と,より多くのデータを効率的に取得できる方法の開発によって,高温水素利用技術の安全性の確保に貢献する.本研究では,純鉄の水素中クリープ変形に対して新しい機構を提案した.また,微小試験片を用いる方法と中空試験片を用いる方法の適用性を検討した.
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