研究課題/領域番号 |
20H00228
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小俣 透 東京工業大学, 工学院, 教授 (10262312)
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研究分担者 |
門之園 哲哉 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (10510282)
神永 真帆 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 助教 (20879986)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
45,110千円 (直接経費: 34,700千円、間接経費: 10,410千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2021年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2020年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
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キーワード | 知能機械 |
研究開始時の研究の概要 |
体内の腫瘍はがん細胞が複雑に分化した不均一な細胞の集団であり,さらに正常細胞が取り込まれ,悪性化に深く関与していることが明らかになってきた.このようながん微小環境の詳細は解明されていない. そこで本研究では,工学技術の導入により,細胞一つ一つの性質や,がん細胞と正常細胞の相互作用を調べることができるシステムを開発することを目的とする.さらに,悪性化に深く関与している低酸素低栄養状態で,それらを調べることが可能なシステムとする.また,がん微小環境に適用できるファージディスプレイ法を開発し,細胞表面に発現する膜タンパク質の同定を試みる.
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研究実績の概要 |
これまで,ファージディスプレイ法などの適用を念頭に,細胞毎に探査できるシステムの基本を開発するとともに,低酸素低栄養状態でがん細胞の特性や正常細胞との相互作用を調べることができる細胞培養システムの開発に取り組んできた. 細胞毎に探査できるシステムとは,先端径10μm前後のガラスキャピラリを用いた送液管と吸引管からなるプローブをマイクロマニピュレータにより細胞に接近させ,顕微鏡で観察しつつ試薬等の送液吸引を行うシステムである.今年度は,目標の細胞以外の細胞に試薬ができるだけ拡散しない流体系の構成方法を考案した.また,プローブを目標細胞にできるだけ近づける必要がある.その方法としてイオン電流の変化を検出する方法を組み込んだ. 一方,低酸素低栄養状態により一部のがん細胞は休眠状態に入り,再発の一因となることが知られており,そのようながん細胞の特性を調べることは重要である.がん細胞を3次元培養すると100μm以上の内部には培養液が届かず, 低酸素低養状態なることが知られているが,内部の細胞にはアクセスできない.そこで,内部に培養液供給用流路を配置し,外側を低酸素低栄養にする培養装置を前年度までに考案していた.しかし,製作が難しかったため,今年度は製作方法を改善した.この他,がん細胞3次元培養のスフェロイドの特性を調べる装置の開発を行った. 使用する細胞株の樹立に関して,休眠状態のがん細胞を識別するために,細胞周期を蛍光でモニタリングできるFUCCI遺伝子を導入した細胞株を樹立した.また,細胞探査システムの構築に利用するために,既知のがん細胞マーカーに結合するファージクローンの樹立に取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞毎に探査できるシステム,低酸素低栄養状態でがん細胞の特性や正常細胞との相互作用を調べることができる細胞培養システムともに,システムの基本を開発することができた.使用する細胞株やファージについても準備が整いつつある.これらから,おおむね順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
細胞株やファージの準備が整い次第,細胞を用いた研究を中心に進める.
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