研究課題/領域番号 |
20H00246
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 静雄 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (20135536)
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研究分担者 |
尾沼 猛儀 工学院大学, 先進工学部, 教授 (10375420)
太田 優一 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部物理応用技術部電気技術グループ, 副主任研究員 (50707099)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
36,400千円 (直接経費: 28,000千円、間接経費: 8,400千円)
2022年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2020年度: 21,840千円 (直接経費: 16,800千円、間接経費: 5,040千円)
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キーワード | 超ワイドギャップ半導体 / 酸化物半導体 / 真空紫外光 / 光物性 / 量子構造 |
研究開始時の研究の概要 |
白色発光ダイオード(LED)が蛍光灯に置き換わりつつあるように、半導体を用いる固体光源は小型で高効率であるという特徴を持ちます。ところが、現在のところ波長200nm以下の紫外光(真空紫外光)の光源としては、水銀や希ガスの放電を用いるランプやレーザが用いられています。しかし、ここには、水銀や希ガスなど危険・希少な元素が用いられており、とくに水銀は利用の撤廃が求められています。本研究は、真空紫外光の発光機能を持つ新しい半導体(MgZnOおよび(Al,Ga)2O3)を主たる研究対象として、真空紫外半導体光物性の特徴、物理、材料開発を明確にして、その学理を創成することを目的として実施します。
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研究成果の概要 |
真空紫外域の光機能を持つ高品質MgZnO半導体の結晶成長と詳細な光物性探索を行った。波長115nmまでの光物性観測が可能な分光システムを構築し、電子線励起による波長200nm以下での発光を得た。発光機構には励起子遷移の寄与が大きく発光素子材料としての優れた物性が明確となった一方、アイソエレクトロニックトラップの寄与があり、その制御が重要なことが判明した。MgZnO/MgOヘテロ界面はタイプI型のバンドアライメントを持つことが実験・理論の両面で明らかとなり、量子構造への展開が示唆された。伝導性制御等を合わせて真空紫外半導体の学理創成への知見を得て、真空紫外線センサの実証等応用面での進展を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
波長200 nm以下の真空紫外光を含む短波長の光は、殺菌、加工、光化学等の応用に不可欠である一方で、光源には水銀や希ガスの放電が一般に用いられている。固体による発光の実現は、脱水銀や希少資源の保護と、任意の波長での光源開発につながり、また真空紫外線センサは新たな環境観測技術を提供し、ここに本研究成果の社会的意義がある。MgZnOは真空紫外域の光機能を持つ半導体であり、発光機構、バンドアライメント、ドーピング等その光物性と応用に関する基礎的な知見を多く得て学理の創成に寄与したことに学術的意義がある。今後の真空・深紫外光の開拓に向けた貢献が期待されるところが本研究の価値である。
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