研究課題/領域番号 |
20H00259
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 浩之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00302779)
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研究分担者 |
原本 英司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00401141)
端 昭彦 富山県立大学, 工学部, 准教授 (70726306)
三浦 尚之 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (70770014)
林 豪士 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (80824648)
鳥居 将太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (30939476)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2022年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2021年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2020年度: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
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キーワード | ウイルス指標 / ウイルス / 水道 / 水環境 / 糞便汚染 / 水道水 / リスク管理 / 起源解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルス指標には、1)糞便汚染を示す、2)病原微生物の移動を示す、3)病原微生物が除去・不活化されたことを示す、4)ウイルスの感染性という4つの役割を担う必要がある。革新的ウイルス指標群をどのように有機的に活用して水の安全性確保につなげるのか。以下に挙げる水の微生物学的安全性、特にウイルス感染リスクの制御において、検討する。 1)水道水 (ア)原水の汚染レベルの特徴づけ、(イ)処理能力の評価、(ウ)原水水質の変 動を織り込んだリスク管理手法、2)再生水、3)水浴場、(ア)水浴場としての適否の判定 、(イ)その日に泳いでよいかの判定、4)下水処理、5)環境基準、(ア)リスク評価、(イ) 起源解析
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研究実績の概要 |
近年,不活化ウイルスと無傷ウイルスを識別するために,キャプシド完全性(RT-)qPCRが開発された。本研究では,SD-CDDP-(RT-)qPCRを用いて,上水および水道水中の無傷ウイルスの検出を検討した。関東地方で採取した63の水試料(表流水,n=20,水道水,n=43)についてウイルスを検出した.表流水では,従来の(RT-)qPCR法では,PMMoV(100%)が他のヒト病原性ウイルス(30%‐60%)よりも高い頻度で検出された.SD-CDDP-(RT-)qPCRでも,intact PMMoV(95%)が他のウイルス(20~45%)よりも多く検出された.水道水では,従来の(RT-)qPCRではPMMoV(9%)とAiV(5%)を除き,ほとんどの対象ウイルスが不検出であった.地下水中の水道水にはPMMoVが存在しないのにAiVが存在することは、地下水中のウイルス指標としてのPMMoVの限界を示すものであると思われる。表流水から作られる水道水のウイルス安全性を保証するために、無傷のPMMoVが存在しないことを利用できる可能性がある。 また、マウス肝炎ウイルスに対して、CDDPは100uMの濃度で、RT-qPCRによる感染性の選択的検出(CDDP-RT-qPCR)に最も有効な試薬として同定された。CDDP-RT-qPCR法とRT-qPCR法を用いて,首都圏で採取した16検体の生排水からSARS-CoV-2を検出し,比較検討した.RT-qPCRのみで評価した場合,5検体がSARS-CoV-2陽性であった。しかし,CDDP-RT-qPCRでは3検体からしか検出されなかった.CDDP-RT-qPCRは廃水中のSARS-CoV-2の感染性を決定することはできなかったが,この方法はRT-qPCRによって得られたSARS-CoV-2の陽性結果の解釈を改善することができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多種多様な水中ウイルスに対して、測定方法にも工夫を加え、総合的に水の微生物学的安全性を確保するための知見を順調に蓄積してきているため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスに関する研究を追加するが、それ以外は申請書の提案に沿った内容の研究を進める。
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