研究課題/領域番号 |
20H00267
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
|
研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
|
研究分担者 |
吉田 真一 高知工科大学, 情報学群, 教授 (30334519)
沖田 学 高知工科大学, 地域連携機構, 客員研究員 (80816934)
繁桝 博昭 高知工科大学, 情報学群, 教授 (90447855)
山下 典生 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 准教授 (90628455)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
44,980千円 (直接経費: 34,600千円、間接経費: 10,380千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2021年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2020年度: 19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
|
キーワード | 高齢ドライバー / MRI / MCI / 運転免許更新 / 認知機能 / 高齢者 / 運転免許 / 実車運転 / 機械学習 / 白質病変 / 脳萎縮 / 実車運転評価 / 運転免許制度 / 免許更新 / 運転免許の継続・返納 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、認知機能検査が義務化されている75歳以上の高齢者講習受講者から、① 講習時での認知機能検査成績、教官による実車運転操作時の評価データ、実車運転操作時の車両データ(CANデータ)に加えて、新たに② 臨床医学用認知機能検査バッテリーデータ、事故や誤進入歴等のアンケート調査データ、脳MRIデータをマルチモダール学習データとして、高齢ドライバーの危険運転行動を高精度予測できる機械学習を開発する。さらに③高齢ドライバー支援を目的とした認知リハビリテーション介入を行う自動車運転外来から、経時的学習データを得て上記機械学習の検証作業を行う。
|
研究実績の概要 |
コロナ禍の影響で高齢者講習での被験者募集に支障を来したため、新たに脳ドック受診者から被験者を募集して、自動車教習所での実車運転評価と脳MRIでの脳加齢評価(脳萎縮度を縦軸、白質病変グレードを横軸にした2x2マトリックス評価)との関連性を調べた。 90人の認知症のない高齢ドライバー (男性 63 人、女性 27 人、平均年齢 75.31 ± 4.795 歳) が、自動車教習所内走行コースの実車運転による安全運転パフォーマンス評価と、MRIによって計測された脳萎縮度とMRI画像診断された白質病変グレードによる脳加齢評価との関係を分析した。安全運転パフォーマンス評価は、指導教官による評価スコアとウェアラブルワイヤレスセンサー装着による安全確認行動スコアを用いた。脳萎縮度の中央値(0.217)以上、白質病変グレード2以上の脳加齢が進んでグループ(n=35)をそうでないグループ(n=55)と比較すると、指導教官による評価スコアは重回帰分析、全確認行動スコアはロジスティック分析により、2つの運転パフォーマンス評価はともに脳加齢が進んでグループで有意に低下していることが判明した。 脳体積測定と脳病理学(白質病変)の両方から MRI 検査を行えば、危険な運転行動をする高齢ドライバーを特定する可能性を示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の為に、大勢の人が集まる高齢者講習からの高齢被験者募集は困難であったが、脳ドック受診者から募集することで、脳と実車運転との関係を探求する研究目的を概ね順調にする事が可能であった。但し、一般高齢者を対象にする高齢者講習と異なり、脳ドック受診者は経済的・社会的レベルで明白なバイアスがある集団を対象にした研究結果であるという難点がある。
|
今後の研究の推進方策 |
脳ドック受診者よりサンプルバイアスの少ない地域住民を対象にした実験を行う。今までは白質病変の評価は定性的なグレード分類を行っていたが、白質病変容積を定量することが可能になった。その定量値を求めて脳加齢評価の定量性を高める。また、安全運転を行うに当たって動体視覚認知力が必須である。この動体視覚認知力と脳加齢ならび実車運転評価スコアとの関係を探索する。
|