研究課題/領域番号 |
20H00268
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高井 伸雄 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10281792)
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研究分担者 |
前田 宜浩 国立研究開発法人防災科学技術研究所, マルチハザードリスク評価研究部門, 主任研究員 (00594160)
越川 武晃 北海道大学, 工学研究院, 助教 (10399983)
地元 孝輔 香川大学, 創造工学部, 准教授 (40713409)
神野 達夫 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (80363026)
重藤 迪子 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (90708463)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
45,370千円 (直接経費: 34,900千円、間接経費: 10,470千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2020年度: 19,630千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 4,530千円)
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キーワード | 中規模地震 / 2018年北海道胆振東部地震 / 強震動 / 速度構造 / プレート境界地震 / プレート内地震 / 地下構造 / 浅部地盤 / 内陸地震 / スラブ内地震 |
研究開始時の研究の概要 |
2018年北海道胆振東部地震(MJMA 6.7,深さ37 km)のような発生頻度の比較的高い中地震での危険な強震動を見過ごしたままの防災施策で良いのだろうか?本研究グループでは本地震発生直後から,震源域の危険な強震動の発生要因究明を実施してきた.本課題では,これらの知見を基に,本地震の強震動の生成要因の解明を進め,強震動および建物被害空間分布を検証し,さらに,他の過去の内陸中地震における強震動分布の検討整理を実施することで,中地震の強震動作成手法を提案を試みる.
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研究実績の概要 |
【データベース構築】千島海溝付近のプレート境界およびプレート内で発生する地震,M5.0以上の159地震を対象として,190観測点の記録を整理して,スペクトルインバージョン法により,震源特性,減衰特性,地盤増幅特性を周波数毎に分析した.また,福島沖で2021,2022年に発生したスラブ内地震のラディエーションパターンが周波数,距離によりどのように変化するかを分析した.観測点の浅部速度構造探査の精度の確認のため,2020年10月から実施している北見市における7点同時微動アレー探査と表面波探査,地震観測,電気探査,レーダー探査を継続した.夏期と冬期の変化に加え,表層の乾燥状態によっても,表面波探査結果の変化が示され,結果を3本の査読付き論文として公開した.また,2021年10月より北見市内で地点を変えた観測フィールドでは,地下水位の影響が地震波伝播にどのように影響するかを検討した基礎データを蓄積した. 【1次元速度構造モデルの構築】推定済みであるHKD126観測点に加え,前年度に引き続き,震度7が記録された気象庁鹿沼観測点から直後に臨時余震観測点を設置した地点に,本年度は長周期の地震動が卓越したと思われる浜厚真余震観測点HUE05と比較的基盤の浅いHUE01地点を加えた検討を実施した.この検討には,地震記録を用いた自己相関関数等と,推定した直下の速度構造を用いた1次元の地震動シミュレーションにより,S波走時の地点による変化の検討を実施した.これにより,既存の速度構造モデルの検討および,基盤構造の傾斜の検討を実施し,これらの検討結果は査読付き論文として公開した. 【2018年北海道胆振東部地震の震源モデルの構築】既往の震源インバージョン結果の整理を継続し,堆積層の浅い,HUE01,HUE04地点で推定された速度構造および既往の速度構造をもとに,3次元地震動シミュレーションに着手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた対象とする地震データの収集,解析等が実施できている.また,対象地域の観測地点での速度構造探査の実施に加え,当初の予定には含まれなかったものの,地震時の表層地盤の増幅率に関連し,表層の速度構造探査の精度の季節変動性に関して,通年での実験を実施することで,多くの知見を得ることができ,3本の査読付き論文として公開している.2018年北海道胆振東部地震における危険な地震動の発生地域付近で地震発生直後に実施した臨時余震強震観測の記録を基に,地下構造の再検討が実施できており,次年度に繋がる地震基盤構造の傾斜の検討に関しても着手した.この自己相関関数解析を用いた分析結果は国際誌に掲載されている.このように,当初予定していた新規に導入した計測機器を用いた観測点の浅部速度構造探査等に関しては大きく進展,進行している.また余震観測点直下の速度構造を用いた1次元地震動シミュレーションによる速度構造の検討結果を踏まえ,3次元地震動シミュレーションに着手出来ている.
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今後の研究の推進方策 |
【対象地震の震源モデルの構築】2022年度に引き続き,2018年北海道胆振東部地震の広帯域震源モデルを求める.具体的には簡便な手法の提案に結びつけるため点震源モデルで表現することを目指し,観測点直下の1次元速度構造モデルを用いて短周期まで再現可能である理論的地震動計算を用いてフォワードモデリング・インバージョンを実施し,広帯域に再現可能な震源スペクトルの推定を実施する.また,2022年度に実施した千島海溝南部で発生する中地震の震源特性の把握をすすめ,比較的頻度の高いプレート境界付近で発生する中地震における検討も実施する. 【2018年北海道胆振東部地震の震央付近の3次元速度構造モデルの構築とそれを用いた強震動シミュレーション】2022年度までに実施した強震・微動観測点直下の1次元S波速度構造モデルを推定に基づき,震央付近の2,3次元速度構造モデルの構築を実施する.2021年度による強震観測点、余震観測点を含む地域で高密度に推定した1次元S波速度構造を接続・補間することで2次元,3次元の速度構造へと展開しモデル化する.これまで利用してきた,強震記録の自己相関関数等による基盤面傾斜の検討を継続する.以上により構築した,速度構造,広帯域震源モデルに基づき,本地震および他の中地震の速度構造モデルと震源モデルを用いる.すでに2022年に着手している,離散化波数・3次元有限差分法により強震動シミュレーションを進める.1~3秒と短い周期が要求される計算となるため計算量が非常に多いため,強震動シミュレーション装置と併せて,大型計算機利用も選択肢にいれる.計算される強震動から面的な強震動分布の把握を実施する.本地震以外で対象とする中地震は国内で近年被害が発生したで,2020年から継続している記録・被害の収集をさらに継続して,面的な地震動評価に耐えうるよう努める.
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