研究課題/領域番号 |
20H00272
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楠 浩一 東京大学, 地震研究所, 教授 (00292748)
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研究分担者 |
向井 智久 国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 室長 (30318208)
田村 修次 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (40313837)
日比野 陽 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50456703)
長江 拓也 名古屋大学, 減災連携研究センター, 准教授 (90402932)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
2022年度: 21,190千円 (直接経費: 16,300千円、間接経費: 4,890千円)
2021年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2020年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 鉄筋コンクリート構造 / 杭基礎 / 連層耐震壁 / 一体解析 / 終局強度設計 / 保有水平耐力計算 / 耐震設計法 / 鉄筋コンクリート造 / 終局設計 / マクロモデル |
研究開始時の研究の概要 |
杭基礎の終局設計が喫緊の課題となっている。特に連層耐震壁を有する建物では,上部構造の慣性力と基礎部の慣性力により壁脚部に大きな変動軸力が発生するが,解析上壁脚部はピンで支持するため基礎ばりに大きな応力が計算では発生せず,杭基礎に大きな変動軸力が集中していた。杭基礎と基礎ばりを安全かつ合理的に設計するためには,杭基礎―地盤―建物の一体解析に拠るしかなく,一般建物への適用は極めて困難である。本研究では,上部構造の終局強度に対して杭基礎を有する連層耐震壁付建物の杭基礎と基礎ばりの設計において,連層耐震壁脚部の局部的な応力をマクロモデルにより考慮して,一体解析に拠らず合理的に設計する方法を提案する。
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研究成果の概要 |
杭基礎を有する連層耐震壁付き鉄筋コンクリート造建物において、剛強な基礎ばりを必要とする耐震壁脚部での曲げ降伏を保証する設計法に代わり、杭頭と基礎ばりの降伏を許容する合理的な設計方法を提案した。この設計法では、杭基礎と建物の一体解析は必要とせず、連層耐震壁脚部周りのマクロモデルを用いて耐震壁脚部の曲げ耐力を低減することにより簡易的に建物部分の解析だけで耐震設計を行う合理的な方法を提案している。また、杭頭に大きな靭性能が必要となるため、靭性能に乏しい既成杭を対象に杭頭・パイルキャップ接合部の適切な補強方法を静的加力実験により検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでは、杭基礎を有する鉄筋コンクリート造建物に対して、杭基礎と連層耐震壁脚部の許容応力度設計は実施するようになったものの、終局強度を確認することは要求されてこなかった。一方、超高層建物では、杭基礎と上部建物の一体解析を実施するなどして、終局強度設計も行われてきたが、一般的に基礎ばりを剛強とし、上部建物で明快な降伏機構を形成するように設計されてきた。一方、一般的な建物を考えると、そういった剛強な梁を要求することは困難であり、そのため終局強度の確認もされてこなかった。本研究の成果は、合理的に基礎ばりの降伏も許容するものであり、杭基礎も考慮した終局強度設計を可能とする。
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