研究課題/領域番号 |
20H00276
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
林 基哉 北海道大学, 工学研究院, 特任教授 (40320600)
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研究分担者 |
金 勲 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (00454033)
菊田 弘輝 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20431322)
山田 裕巳 九州女子大学, 家政学部, 教授 (30610787)
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (50293494)
稲葉 洋平 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (80446583)
東 賢一 近畿大学, 医学部, 教授 (80469246)
本間 義規 国立保健医療科学院, その他部局等, 統括研究官 (90331272)
田島 昌樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90391680)
長谷川 麻子 宮城学院女子大学, 生活科学部, 教授 (80347004)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
44,460千円 (直接経費: 34,200千円、間接経費: 10,260千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2022年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2020年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | シックハウス / 常時換気システム / 生活リテラシー / 省エネルギー / 住宅構法 / COVID-19 |
研究開始時の研究の概要 |
1990年代にシックハウス問題が顕在化し、2003年の基準法改正により主な物質の室内濃度は低下した。しかし、TVOCは暫定目標値を超え、シックハウスに関する相談が続いている。また、常時換気設備が適切に運転されないこと、天井裏等からの汚染物質侵入による空気質悪化が指摘されている。 本研究は、常時換気と室内空気質に関する実態調査、室内空気質と健康リスクに関する調査分析、常時換気による室内空気質改善に関する分析により、常時換気及び室内空気質の実態を明らかにし、シックハウス症候群の予防レベルを高めるために常時換気及び住宅構法に求められる条件を示す。
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研究実績の概要 |
2022年度の調査研究によって以下の知見を得た。 ①常時換気と室内空気質に関する実態調査では、ほとんどの対象で厚生労働省の室内濃度指針値を下回ったが、アセトアルデヒドは指針値を超える対象があり、TVOCは暫定目標値を超える対象があった。αピネンがTVOCを引き上げていることが確認された。 ②室内空気質と健康リスクに関する調査分析では、常時換気設備の有無、COVID-19対応の窓開け換気の有無によって、室内化学物質濃度に有意な差が見られなかった。一方で、室内環境と健康影響に関するリテラシーが室内化学物質濃度に影響することが示唆された。 ③常時換気による室内空気質改善に関する分析では、化学物質の使用に関する配慮を行った対象では、厚生労働省の室内濃度指針値を下回っているが、アセトアルデヒドについては、指針値に近い対象があった。TVOCの暫定目標値については、多くの場合に上回った。換気量は必要換気量をほぼ満たしているが、αピネンがTVOCの主な成分であること、アセトアルデヒド濃度が高いことから、木材由来の化学物質の影響が顕著であることが確認された。また、エタノールとアセトアルデヒドの濃度に関係性が見られたことから、COVID-19対応のための消毒の影響が示唆された。COVID-19対応のために、隔離室を設けた場合の実験と家庭内エアロゾル感染リスクの試算を行った結果、常時換気の種類によってリスクが顕著に異なることを確認し、その対策例を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、以下の調査研究を行った。 ①常時換気と室内空気質に関する実態調査では、住宅及び生活リテラシーに関するWebアンケート調査を、2021年度に行った冬期、夏期調査に続いて、パッシブサンプラーを用いて室内化学物質濃度を測定した。アンケート調査及び化学物質の測定対象数は、夏期と冬期合わせて約200件となった。 ②室内空気質と健康リスクに関する調査分析では、上記①の結果をもとに、化学物質及びダンプネス等に関する健康リスク評価を行い、COVID-19 対策の窓開け換気等による室内空気質の現状を確認した。 ③常時換気による室内空気質改善に関する分析では、北海道、東北、関東、四国、の計15件程度の改善事例に関する換気性状(風量、トレーサーガス法による換気量、気流性状等)、室内化学物質(パッシブサンプラー及びアクティブ法)に関する測定、分析を行った。また、測定対象に関する室内空気環境に関するシミュレーションを行い、特に、COVID-19対策を行った場合の室内空気環境改善効果を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、以下の調査研究を行う。 ①常時換気と室内空気質に関する実態調査では、住宅及び生活リテラシーに関するWebアンケート調査を、2021年度、2022年度に行った冬期、夏期調査に続いて、COVID-19の状況変化を踏まえて、これまでと同様の方法で室内化学物質濃度を測定する。なお、アンケート調査及び化学物質の測定対象数については、経費を踏まえて修正する。 ②室内空気質と健康リスクに関する調査分析では、上記①の結果をもとに、化学物質及びダンプネス等に関する健康リスク評価を行う。また、COVID-19に関する評価も行う。 ③常時換気による室内空気質改善に関する分析では、北海道、東北、関東、四国、の計15件程度の改善事例に関する換気性状(風量、トレーサーガス法による換気量、気流性状等)、室内化学物質(パッシブサンプラー及びアクティブ法)に関する測定、分析を行う。また、測定対象に関する室内空気環境に関するシミュレーションを行い、経年の室内空気環境改善効果を推定する。
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