研究課題/領域番号 |
20H00288
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
森川 英明 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10230103)
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研究分担者 |
澤田 晋一 東京福祉大学, 教育学部, 教授 (00167438)
篠原 克明 信州大学, 繊維学部, 特任教授 (60117356)
山内 正剛 信州大学, 繊維学部, 特任教授 (00260240)
亀谷 英杏 文化学園大学, 服装学部, 准教授 (00434176)
鮑 力民 信州大学, 学術研究院繊維学系, 特任教授 (10262700)
坂口 明男 京都女子大学, 家政学部, 教授 (40205729)
西井 良典 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (40332259)
堀場 洋輔 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (00345761)
後藤 康夫 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (60262698)
金井 博幸 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (60362109)
若月 薫 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (60408755)
佐古井 智紀 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (70371044)
嶋崎 典子 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 主任研究官 (80466193)
朱 春紅 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (80773100)
倪 慶清 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (00252544)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
44,720千円 (直接経費: 34,400千円、間接経費: 10,320千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2020年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
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キーワード | 防護服 / 繊維 / 危機管理 / PPE / 機能性材料 / 機器管理 / 安心・安全 / 衣服 / 高分子材料 / 極限環境 / 温熱快適性 / 動作快適性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の大きな目的は,関連機関と連携して日本における「個人防護服(PPE)」に関する研究基盤を構築し,当該領域の研究を先導的に進めるものである。具体的には,様々な「防護機能」に関する現象・原理の探究と工学的評価法を確立し,さらに先端的な繊維材料,編織・被服造形技術,ナノマテリアル,繊維複合材料技術を導入することで,極限環境下および災害現場において高度な身体保護機能を有するマテリアル,テキスタイル,および被服の設計・試作・実証を進める。具体的にはMechanical,Thermal/Fire,Biological,Radiologicalの4つのHazard Protection分野を設定し,関係省庁・各研究機関の研究者と共同による学術研究を進める。
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研究実績の概要 |
防護服・防護材料の研究として,主に(1)防刃材料(アイスピック等),(2)防火・耐熱材料,(3)感染症防護材料(4)放射線防護材料等に関する評価と新たな防護材料の探索・開発を行った.また防護服の「衣服」としての機能に関する研究として(1)着衣時の人体ー衣服間の空間量推定,(2)動作快適性,(3)温熱快適性等に関する評価法を検討し,それぞれに新たな手法や知見を得た. 防刃材料の開発においては,突き刺しの力学的評価法を確立し,これを用いて候補となる様々な繊維材料等を単独あるいは複合状態で評価した.この結果から突き刺しに対する材料破壊メカニズムの解明や有用な材料の抽出など,いくつかの成果を得ている.また刃物だけでなく高圧水に対する身体防護へと範囲を拡張した.感染症防護材料については,複数の防護素材を評価して相対的な性能比較を行った.またポリウレタンを原料とするナノファイバーなど新規材料の微粒子捕捉性能と圧力損失の評価も行い,既存の材料に対する優位性を確認することができた.放射線防護素材については主に微生物由来の材料を探索しているが培養が安定せずまだ有用な成果が得られていない.さらに本研究の中ではスマート化など防護服として今後必要となる諸機能を付与するため,周辺分野の材料開発についても進めている. 一方,防護服の衣服としての機能については,防火服や感染症防護衣について着衣時の人体と衣服間の空隙を評価する手法を構築した.また動作快適性・温熱快適性の評価法についても検討を進め,人体モデルによる評価技術やコンピュータシミュレーションによる手法の検討を行った.それぞれ複数の研究分担者による分野融合的な研究を進めることで,防護服研究における新たな取り組みと学術的な枠組みが構築できつつあると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
複数の研究者による研究課題であるが,研究サブテーマごとに複数の研究者によるチームを構成して,分野融合的な研究を進めている.コロナ禍で研究者間のコミュニケーションや議論が停滞し,また海外との連携の困難さもあり,研究の進捗がやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,防護材料・防護服に関する複数の性能について,本研究での成果を元に評価法を体系化すると共に,新たな材料の創成に繋げて行く.また防護服の「衣服」としての評価については,人体ー衣服系のインタラクションを静的だけでなく,時間・空間上の変化を含めた動的な評価法を検討し,これらについても学術的な体系化を進めたい.世界的に自然環境・生活環境の変化や,新たな高度技術によるリスク発生など,身体防護の必要性がより高まっている.本研究課題では研究代表者・研究分担者を中心に国内外の関連する研究者らとも連携をして,これらに対応できる防護服研究の基盤を構築してゆきたいと考えている.
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