研究課題/領域番号 |
20H00300
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳本 潤 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90220194)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
36,270千円 (直接経費: 27,900千円、間接経費: 8,370千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2021年度: 11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
|
キーワード | 複合材料 / 金属シート / 3次元周期コア / トポロジー最適化 / 3Dプリンタ / 三次元周期コア |
研究開始時の研究の概要 |
複層構造は、優れた機械的特性を発現する構造である。本研究では、金属被覆材(フェースシート)に挟む連続/非連続炭素繊維CFRPコア材の3次元幾何構造を制御することで、多様な力学特性を持つ薄板材料を創造し、製作し、評価することを目的とする。この複層構造は従来の航空機用ハニカム構造とは異なり、航空機と自動車の中間に位置づけられる電動の「空飛ぶ自動車」といった国内生産数万台の規模に耐える高生産性を有しつつ、軽量高剛性構造を実現できる特徴がある。。
|
研究実績の概要 |
複層構造は、優れた機械的特性を発現する構造である。本研究では、金属被覆材(フェースシート)に挟む連続/非連続炭素繊維CFRPコア材の3次元幾何構造を制御することで、多様な力学特性を持つ薄板材料を創造し、製作し、評価することを目的とする。具体的には、 1)メタルフェースと3次元周期構造を持つ樹脂あるいは炭素繊維強化複合材料コアからなる複層構造の、コア構造を最適化する方法 2)得られた構造を熱溶解式3Dプリンタ(樹脂あるいは熱可塑性短炭素繊維強化複合材料(CFRTP)を模擬)ならびに光造形式3Dプリンタ(熱硬化性長繊維強化複合材料CFRPを模擬)造形しフェースシートを接合したプロトタイピング 3)以上で提示されたコアを、樹脂または炭素繊維強化複合材料の、デジタルサーボプレスと金型を利用した温間スタンピング成形で作製しフェースシートと接着して薄板化の、3つの段階(ステージ)を研究対象とする。 コアの3次元立体構造の決定にはトポロジー最適化を利用し、最適化された構造の造形には3Dプリンタを用い、フェースシートとの接着は曲げ剛性評価には、既存設備であるオートクレーヴやサーメックマスターを利用する。一連の研究を通して、機械的特性(強度)と二次加工性(延性)という、相反する特性を同時に満足させる方法について検討を実施する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、以下の2件のサブテーマを実施した。 (1)マイクロストラクチャ階層コアサンドイッチシートの機械的特性と成形性 成形性の高いサンドイッチシートのためのコア構造としてマイクロストラクチャ階層コアを提案した.この構造は,ユニットセルであるマイクロストラクチャで層を作り,異種層を重ねることでできる多層構造のコアである.多層にすることで,マイクロストラクチャの構造および階層パターンにより特性を制御できる.例えば,多層構造において外側の層は密度の高いマイクロストラクチャ,内側の層は密度の低いマイクロストラクチャを用いることで,比剛性の高いサンドイッチシートを作製可能である.本研究では剛性を保ちつつ高い成形性を実現させることを目的とする.サンドイッチシート全体として大きな曲率の曲げ成形を可能とするため,二次成形中,多層構造うち一部の破壊を許容する.そうすることで,他の層およびフェイスでの変形量を軽減し二次成形後,一定程度の剛性を保つことが可能である.作製したマイクロストラクチャ階層サンドイッチシートは,機械的特性の調査のための 3 点曲げ試験および成形性の調査のための L 字曲げ試験および逆曲げ試験を実施した.二次成形された試験片は再度 3 点曲げ試験を実施することで,二次成形後の機械的特性を調査した。 (2)マルチマテリアルサンドイッチシート コア・フェイスシートと比較して低強度な充填材を含めたサンドイッチシートを一体で成形し,充填材の種類や充填材分布を制御することでサンドイッチシートの機械的特性の変化を調査することを目的とした.充填材を含むマルチマテリアルサンドイッチシートを成形した.評価には 3 点曲げ試験を実施し,コア~フェイスシートの接着部での変形やはく離の影響を曲げ特性の変化によって調査する形とした.さらにその変化の要因を,3 点曲げの有限要素解析により調査した。
|
今後の研究の推進方策 |
最終となる2024年度には、計画通りに、熱硬化性樹脂を利用したコアメタルサンドイッチシートの創製や、逐次成形したコアとメタルフェースシートとを接着したシート材の機械的特性の評価を行う。また、ストラタシス社のマルチマテリアルプリンタにより3D構造を造形し、コア材料の構成が曲げ強度や成形性、さらにメタルフェースシートとコア材料の接合性におよぼす影響につぃて、包括的な検討を行う。メタルフェースシートは、t0.3mm程度の純チタン薄板とする。 研究成果は今までと同様に国際学術誌論文への投稿および掲載を進めていく。
|