研究課題/領域番号 |
20H00306
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻 伸泰 京都大学, 工学研究科, 教授 (30263213)
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研究分担者 |
足立 大樹 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (00335192)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,500千円 (直接経費: 35,000千円、間接経費: 10,500千円)
2022年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2021年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2020年度: 18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
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キーワード | 金属材料 / 力学特性 / 変形中その場中性子回折 / 不均一ナノ組織 / デジタル画像相関法 / 不均一変形 / 強度 / 延性 / 引張変形中放射光その場回折 / 鉄鋼材料 / 画像相関法 / 放射光その場回折 / 変形中放射光その場回折 |
研究開始時の研究の概要 |
軟質な相・ドメインと硬質な相・ドメインがナノスケールで組み合わさった組織(ナノヘテロ組織)を有する金属材料がしばしば示す、高い強度と大きな延性を併せ持つ優れた力学特性の原因を、明らかにする。これまでに獲得した手法と知見を駆使し、フェライト+マルテンサイト二相鋼ぼ組織のナノ化と分布状態等の制御を行う。デジタル画像相関法(DIC)や引張変形中のその場放射光X線回折といった先端的手法で解析する。
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研究成果の概要 |
軟質な相・ドメインと硬質な相・ドメインがナノスケールで組み合わさった組織(ナノヘテロ組織)を有する金属材料がしばしば示す、高い強度と大きな延性を併せ持つ優れた力学特性の原因を明らかにすることを目的とした実験研究を行なった。Fe-2Mn-0.1C合金に対して独自に開発した熱処理プロセスを適用することによって、種々の平均結晶粒径を有するフェライト+マルテンサイト二相鋼を作製することに成功した。マイクロDIC法による局所ひずみ解析を実施して引張変形に伴う各相の平均塑性ひずみを求めるとともに、引張試験中の中性子その場回折を実施して、二相間の力学的相互作用を定量的に解明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノヘテロ組織材料(ナノ二相鋼)の優れた加工硬化の本質と軟質・硬質相間の変形拘束の影響を初めて定量的に解明し、ナノヘテロ組織がなぜ全体として優れた力学挙動を示すのかを明らかにすることができた。これは複雑な組織(ヘテロ組織)を有する高強度金属材料の変形挙動を理解するための重要な基礎的知見を与える点で学術的に重要な知見である。また近年、自動車など輸送機器の燃費向上と地球温暖化ガスの排出削減などのため、構造用金属材料には超高強度と十分な延性・靭性が要求されているが、本研究の成果はそうした革新的構造材料を実現するためにも有益な知見を与え、安全な社会の構築にも資することができる。
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