研究課題/領域番号 |
20H00319
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀 克敏 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50302956)
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研究分担者 |
藤本 和士 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70639301)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2021年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2020年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
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キーワード | ナノファイバータンパク質 / 強接着 / 高伸展性 / ナノ力学 / メカノケミカル材料 / ナノファーバータンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌の強接着性ナノファイバー蛋白質AtaAは、100 pNの張力を与えると応力の増大無しに500 nmも伸びる力学特性を示す。この伸展性を示すナノレオロジーに焦点を当て、ホモ三量体のAtaAを構成する多様なドメイン構造と、それを繋ぐ三重超らせん構造の動力学的挙動を明らかにする。蛋白質ドメインをAFM 探針で操作し、可逆・不可逆的アンフォールディング時の力学挙動を計測し、その際の構造変化を分子動力学計算で求める。蛋白質の多様な高次構造の動的力学挙動のパターンを整理、体系化する。粘弾性を検知するメカノセンサーや、様々な粘弾性を示すメカノバイオロジー操作基材に適用可能なメカノケミカル材料を創製する。
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研究成果の概要 |
本研究では強接着・高伸展性を示すバクテリオナノファイバー蛋白質AtaA の動力学的挙動を原子間力顕微鏡測定および分子動力学計算により詳細に解析した。AtaAを構成するドメインは引張に対してそれぞれ全く異なる力学応答を示し、筋肉タンパク質のタイチン以上に堅いドメインも存在した。実際の測定結果と計算結果を合わせて解釈することで、複雑な四次構造を持つ蛋白質が示すナノ力学応答特性とその機構を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蛋白質の力学挙動、換言するとナノレオロジーは世界で注目の研究分野であるが、AtaAのような多種類のβ構造がコイルドコイルで連結された複雑な四次構造を持つ多量体蛋白質の解析事例はなく、重要かつ新たな知見を与えるものである。また本研究の知見を基に、特定の力で伸展シグナルを検知する仕組みを導入したり、望ましい力学特性を示すドメインを連結して超高分子量繊維や蛋白質ゲルを作出することで、新奇メカノセンサーやメカノバイオロジー操作基材開発への応用が期待できる。
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