研究課題
基盤研究(A)
金属中の電子は動きやすい。その金属をナノメートルレベルまで小さくすると、光によって電子が動くようになる。つまり、光のエネルギーが電子のエネルギーに置き換えられる。そのエネルギーによって電子と正孔(マイナスの電気を持つ電子が抜けた、プラスの孔)を分けられることを、我々は見出した。その現象の機構をさらに詳しく調べ、応用の開拓も行う。本研究ではとくに、通常の光加工では行えないような、非常に微細な加工を光で行う新しい技術などに応用する。
光の回折限界を超えた簡便な「光ナノ加工」が、プラズモン共鳴の新たな用途になり得ることが明らかになった。その際に重要なことの一つは「効率の高さ」だが、光を集めやすい粒子を「アンテナ」として組み合わせることで、効率を向上できることがわかった。また、使用できる材料の豊富さも重要だが、「ガルバニック置換」という比較的簡便な方法で、材料の種類を増やせることがわかった。さらに、プラズモン共鳴は金属などの導電性の高い物質でしか起こらないが、導電性があまり高くない半導体を用いた場合にも、類似した「光ナノ加工」が可能であることがわかった。
従来のナノ加工は主に、電子線リソグラフィーなどの手法が用いられ、コストや時間がかかるという問題があった。本研究の成果により、そうしたナノ加工の一部を、可視光による加工に置き換えられる可能性が高くなった。とくに、使用できる材料の種類を増やすための指針が複数できたため、応用の幅も広がった。この手法は、光を自在に制御する「メタマテリアル」と呼ばれる材料を、比較的簡便に作製するための技術になり得るものと期待される。
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