研究課題/領域番号 |
20H00330
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横川 隆司 京都大学, 工学研究科, 教授 (10411216)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2021年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2020年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
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キーワード | ナノマイクロ加工 / BioMEMS / ナノマイクロバイオシステム / 分子モーター / 生体分子の物性 / あ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、生体内に存在するモータタンパク質の周期構造を生体外で再構築し、細胞内環境を再現することでモータの協働的な運動・力発生機能の創発現象を理解する。ナノ加工技術を用いることで、「モータが何分子でどのような協働性を発現するのか」というマルチモータに対する理解を深める。例えば、kinesin-1とkinesin-14では微小管の運動速度のモータ数依存性が異なるという知見が得られている。細胞内におけるメゾスケール(数10~数100分子)でのマルチモータの協働性をin vitroで再構築することで、モータの運動機能や微小管の物性が細胞レベルの高次機能に対してどう影響しているか理解する。
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研究成果の概要 |
本研究では、1分子パターニング技術をモータタンパク質に適用することで、協働的な運動・力発生機能の創発現象を理解することを目指した。電子線リソグラフィにより作製した金ナノピラー構造を用いてキネシン分子などを200~800 nm間隔で固定する技術を開発し、低分子密度の際に生じる微小管の双方向運動をケモメカニカルモデルにより説明した。また、微小管の重合速度を変化させると曲げ剛性を設計できることを示し、それによる集団運動との相関を明らかにした。これは、in silico解析によっても実証することができ、機械学習ベースの多層パーセプトロンモデルによって微小管形態から曲げ剛性を予測することも可能にした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、微小管に結合するモータタンパク質の数を規定したり、微小管の物性を規定したりすることによる微小管運動への影響を調べ、なぜマルチモータと微小管の相互作用が細胞内で必須となっているのかについて、工学的な視点からアプローチした。1分子計測が主流の従来法に対し、新たにナノ加工技術を導入することで生体内の分子配置を模倣する点に独自性があり、従来の生物物理学のみでは成し得ない計測手法を提案した点に学術的意義を有する。また、微小管の曲げ剛性は各種疾患との関連が知られており、その運動から曲げ剛性を推定する機械学習技術は、生体モニタリングの新たな方法として社会的意義を有する。
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