研究課題/領域番号 |
20H00331
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
玉野井 冬彦 京都大学, 高等研究院, 特定教授 (10802283)
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研究分担者 |
齋藤 寛之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 放射光科学研究センター, グループリーダー (20373243)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2021年度: 15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
2020年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 高Z元素 / 単色X線 / ナノ粒子 / がんスフェロイド / DNA二重鎖切断 / ヨウ素含有DNA結合色素 / オージェ治療 / アポトーシス / オージェ電子 / K端エネルギー / オージェ効果 / 高Z元素担持ナノ粒子 / マウス実験 / 単色X線 / 高Z元素 / Auger効果 |
研究開始時の研究の概要 |
メソポーラスシリカナノ粒子(MSN)は、様々な化学修飾が可能であることなど多数の優位な特徴を持っている。またがん細胞、スフェロイドに効率よく取り込まる。最近、京都大学とSPring-8/量子研との共同研究で単色X線をガドリニウム含有MSNを取り込んだがんスフェロイドに照射するとがんの塊がバラバラになり消滅することを明らかにした。この発見は放射線治療の新しい可能性を示唆している。この研究では更なる解析を行い、細胞核にデリバリーをする新しいベクターの開発、またガドリニウム以外の元素としてヨウ素、銀を検討する。次にマウスに移植したがんモデルを用い、オージェ効果がマウスの系で再現されるかを検討する。
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研究成果の概要 |
我々はこれまでにがん細胞内で電子を発生させる新技術を開発した。ガドリニウムなどの高Z元素を取り込ませたがんスフェロイドに単色X線を照射することで、がんスフェロイド(がんの塊)が破壊される効果を見出した。本研究ではヨウ素担持ナノ粒子(IPO)を合成した。IPOを取り込んだがんスフェロイドにヨウ素のK殻吸収端エネルギーである33.2 keVの単色X線を照射すると、オージェ電子によりDNA二重鎖切断が起こり、アポトーシスが誘導されることでスフェロイド破壊効果が得られることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はがん細胞内で電子を発生させてがんを殺傷する新技術である。これまでAuger電子を用いたがん治療の試みは多数あるが成功していなかった。この原因は高Z元素が細胞質に拡散し、がん殺傷効果が低くなってしまうためである。我々はナノ粒子を用いることでHigh Z元素をスフェロイド内のがん細胞の核の近傍に蓄積させ、33.2 keVの単色X線を照射することでDNA二重鎖切断およびアポトーシスを誘導してがんスフェロイドを完全に破壊することができた。この成果はがん治療、量子物理学、ナノテクノロジーが融合した新学術分野を開拓できる可能性がある。また、新規がん治療法につながり可能性があり、社会的意義は大きい。
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