研究課題/領域番号 |
20H00344
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
一柳 優子 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90240762)
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研究分担者 |
阿部 真之 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (00362666)
千本松 孝明 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70216563)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2021年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2020年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
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キーワード | magnetic nanoparticle / 交流磁化率 / フェライト / ハイパーサーミア / セラノスティクス / イメージング / 磁性 / nanoparticle / hyperthermia / theranostics / ac susceptibility / imaging / cancer / relaxation / 磁性体 / magnetic susceptibility / superparamagnetic / ナノ材料創製 / ナノ構造物性 / がん / switching回路 / magnetic relaxation / transition metal oxide |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞選択性を持たせ、がん細胞に導入し、外部磁場を印加することでがん細胞のみを加温する「磁気ハイパーサーミア」により、副作用のないがん治療の可能性を目指す。独自の製法により、磁気ナノ微粒子を作製し、薬剤や抗体などを担持することが可能な、高度な機能化を持つ微粒子を開発するとともに、それらを用いて温熱療法、磁気ハイパーサーミアを実現する手法を提案する。さらには開発した微粒子をMRIやCT、磁気イメージング(MPI)等にも活用し、診断gnostics)と同時に治療(Therapy)が可能な画期的な「セラノスティクス」の潮流を生みだすことを目的とする
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研究成果の概要 |
粒子間の相互作用を持つ遷移金属を含むナノサイズの磁気微粒子、スーパースピングラス(SSG)磁気ナノ微粒子を得た。数種類の試料について、磁気緩和と発熱メカニズムの関係について、ネール緩和・ブラウン緩和による発熱機構を分離する試みを行った。ポリエチレングリコール(PEG)の修飾により、水中分散性は向上した。これにグルコースを修飾する試みにより、がん細胞への導入率にはわずかな優位性が観察できた。がん細胞を培養したin vitroでのハイパーサーミアの実験後に、細胞死のメカニズムを調べたところ、ほとんどがアポトーシスであることが示唆された。MRIの造影剤としての緩和効果も確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノサイズの磁性体の磁気緩和現象と発熱機構の関係を解明することは熱力学的解釈としてもデバイス応用の面でも非常に重要である。磁気クラスター間に相互作用を持つ系である、スーパースピングラスの系に特徴的な興味深い物性の解明に加え、物理エネルギーを利用したがん治療と検出を同時に行うナノ・セラノスティクスの潮流を生み出すことは、社会に貢献する意義も極めて大きい。ハイパーサーミアによる細胞死が、薬理学的に重要なアポトーシスである事実を見出したことは意義深い。国際会議を主催し、海外からの優れた研究者らもこの研究分野の重要性に注目した。
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