研究課題/領域番号 |
20H00355
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
大島 武 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子機能創製研究センター, センター長 (50354949)
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研究分担者 |
黒木 伸一郎 広島大学, ナノデバイス研究所, 教授 (70400281)
波多野 睦子 東京工業大学, 工学院, 教授 (00417007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
2022年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2021年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2020年度: 21,190千円 (直接経費: 16,300千円、間接経費: 4,890千円)
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キーワード | 結晶工学 / スピン欠陥 / 光物性 / 量子センシング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、炭化ケイ素(SiC)中のシリコン空孔(VSi)に着目し、量子センシングを真の実用技術へと導く基盤技術である、 a)任意位置にVSiを形成するとともに、SiC中に光導波路を形成することで励起レーザーを高効率でVSiまで導入する技術を開発する。 b)SiC基板とシリコン(Si)基板の貼り合せ技術及びSi基板に作製したフォトダイオードでSiC基板中のVSiからの発光を受光する。 c)高感度な量子センシングで重要なVSi発光の高輝度化、光検出磁気共鳴(ODMR)が高いコントラストとなるVSi形成条件を確立し、上記b)のSi中のフォトダイオードを用いたVSiのODMRを実証する。
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研究成果の概要 |
炭化ケイ素(SiC)中のシリコン空孔(Vsi)に着目し、量子センシングの実用化に必要となる技術開発に関する研究を実施した。具体的には、小型デバイス化へ向けたSiCとSi貼り合わせ構造の試作、粒子線描画(PBW)を活用したVsiの三次元自在形成技術を開発した。更に、SiCデバイス中にPBWによりVsiを局所形成し、デバイス動作による局所の温度上昇の計測に成功した。また、Vsiでは励起状態の光検出磁気共鳴(ODMR)により温度計測をするため感度が上がらないという課題を解決するため、励起状態のODMRの情報をODMRコントラストが高い基底状態のODMRへ反映させる同時共鳴ODMRの開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では結晶成長技術やデバイス作製技術が確立しつつある炭化ケイ素(SiC)半導体を母材として選定し、スピン欠陥であるシリコン空孔(Vsi)の量子センシング技術への応用を目指した。特に、小型化デバイス化、Vsiの位置選択形成や高性能化に着目し、課題解決に向けた研究を推進した。シリコン(Si)とSiCの貼り合わせ構造作製の成功、粒子線描画(PBW)によるVsiの三次元的に自在形成の成功、PBWによりSiCデバイス中に局所形成したVsiを用いたデバイス内温度計測の実証、更には温度計測の感度を飛躍的に向上させる同時共鳴ODMR法を開発したことは、将来の量子センサ開発に向けて大いに意義がある。
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