研究課題/領域番号 |
20H00372
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤井 正明 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (60181319)
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研究分担者 |
石内 俊一 東京工業大学, 理学院, 教授 (40338257)
平田 圭祐 東京工業大学, 理学院, 助教 (80845777)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,720千円 (直接経費: 34,400千円、間接経費: 10,320千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
2020年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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キーワード | 赤外分光 / 分子認識 / レーザー分光 / 受容体 / ペプチド / アドレナリン受容体 / カテコールアミン神経伝達物質 / 質量分析 / 冷却イオントラップ |
研究開始時の研究の概要 |
神経伝達過程の分子認識は受容体のポケットと神経伝達物質の形や表面電荷の相補性に起因するとされているが、受容体も神経伝達物質も柔軟な分子であり、なぜ鍵と鍵穴と言われる精密な分子認識を行えるのか明確に答えることは難しい。そこで気相分子分光法を受容体の分子認識ポケットペプチドと種々のリガンドとの分子間錯体に適用し、構造を解析する。これにより、柔らかな分子の分子認識機構を分子間相互作用の観点から解明する。
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研究実績の概要 |
神経伝達過程は,受容体が特定の神経伝達物質を分子認識することで制御されている。その分子認識は鍵と鍵穴と呼ばれ,受容体のポケットと 神経伝達物質の形や表面電荷の相補性に起因するとされている。しかし受容体も神経伝達物質も柔軟性を有する分子であり,柔らかな分子同士 がなぜ「鍵と鍵穴」と言われる精密な分子認識を行えるのか明確に答えることは難しい。そこで本研究は分子間相互作用を最も正確に調べられ る気相分子分光法をこの問題に適用する。受容体の分子認識を司る局所構造ペプチド(受容体ポケット)を取り出し,種々の分子との分子間錯体 を形成させ,エレクトロスプレー冷却イオントラップ分光法を適用して,赤外・紫外スペクトルによりその構造を解析する。これにより,認識 される分子のみならず,認識されない分子が結合することによる受容体ポケットの構造変形を解析し,柔らかな分子同士の分子認識機構を分子 間相互作用の観点から解明している。 前年度,冷却イオントラップ後段での質量分析装置の改良を始めたが,当初方式だと目的達成が困難であることが判明し,別の方式を検討した。その結果,従来の線型飛行時間型質量分析器をリフレクトロン型に改造することが最善策であるとの結論に達し,改造に着手した。採集的に装置の組み立てや制御系を製作し,2重共鳴分光による異性体選別した分光スペクトルの測定に最終的に成功した。 種々のアドレナリン受容体の多くはS□□SFという配列を保存しており、□部分のアミノ酸残基によって認識するリガンド分子が異なる。ここに天然には存在しない配列を導入した場合に種々のリガンドに対する分子認識能がどの様に変調されるかを検証するため、非天然受容体ポケットに対応するペプチドを合成する予定であったが、アミノ酸、特に同位体置換したアミノ酸の調達が大幅に遅れたため、合成に関して一部次年度に繰り越して継続することになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度,冷却イオントラップ後段での質量分析装置の改良を始めたが,当初考えていた方式だと目的達成が困難であることが判明し,別の方式を検討した。その結果,従来の線型飛行時間型質量分析器をリフレクトロン型に改造することが最善策であるとの結論に達し,改造に着手した。最終的に装置の組み立てや制御系を製作し,2重共鳴分光による異性体選別した分光スペクトルの測定に最終的に成功した。また、種々のアドレナリン受容体の多くはS□□SFという配列を保存しており、□部分のアミノ酸残基によって認識するリガンド分子が異なる。ここに天然には存在しない配列を導入した場合に種々のリガンドに対する分子認識能がどの様に変調されるかを検証するため、非天然受容体ポケットに対応するペプチドを合成する予定であった。しかし、アミノ酸、特に同位体置換したアミノ酸の調達が大幅に遅れたため、合成に関して一部次年度に繰り越して継続することになった。
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今後の研究の推進方策 |
a) 装置改良の継続 従来の線型飛行時間型質量分析器をリフレクトロン型に改造するように計画変更して試行し、一応の信号を得て測定を行っているが、信号安定性が不十分であった。原因はリフレクター部分と考えられるので、この部分を改良してS/Nを向上させ、微弱な信号の分 子に対しても2重共鳴分光による異性体選別した分光スペクトル測定を実現する。 b) 非天然受容体ポケットの分子認識能の検証 種々のアドレナリン受容体の多くはS□□SFという配列を保存しており、□部分のアミノ酸残基 によって認識するリガンド分子が異なる。ここに天然には存在しない配列を導入した場合に種々のリガンドに対する分子認識能がどの様に変調 されるかを検証する。これにより、なぜ天然に存在する配列が進化の過程で選ばれたのかを分子論的に解明する。この目的でペプチド合成を 遂行しており、今年度は同位体効果による振動バンドの帰属を含めて正確な議論をできるように展開する。また,外国人研究協力者と共同で研 究を進めることで,研究を一層加速する
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