研究課題/領域番号 |
20H00376
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 佳亮 京都大学, 工学研究科, 教授 (60346088)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,330千円 (直接経費: 34,100千円、間接経費: 10,230千円)
2023年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2022年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | メタロピンサー配位子 / 触媒反応 / 不活性結合活性化 / C-H活性化 / 不活性小分子活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,金属元素を配位元素として有し,M-M結合を錯体中に生じさせるメタロピンサー配位子を用いて様々なマルチメタル錯体を開発する。従来の単一遷移金属触媒に比べて格段に電子豊富な遷移金属中心の電子を利用する,あるいは,M-M結合の結合電子を利用する異なる二種類の低反応性シグマ結合活性化法によって,従来の単一金属触媒では容易ではなかった不活性結合(C-H,C-C,C-F,C-O,Si-O)の官能基化やCO2官能基化反応を開発する。
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研究実績の概要 |
有機合成指向有機金属化学分野の研究は,現在,大半が既知の素反応(触媒反応を構成する単段階の反応)を組み合わせる発想に基づき,既知の (多くの場合,市販の)金属触媒を網羅的に探索する研究に止まっている。本研究では,金属元素を配位元素として有し,M-M結合を錯体中に生じさせるメタロピンサー配位子を用いて様々なマルチメタル錯体を開発する。従来の単一遷移金属触媒に比べて格段に電子豊富な遷移金属中心の電子を利用する,あるいは,M-M結合の結合電子を利 用する異なる二種類の低反応性シグマ結合活性化法によって,従来の単一金属触媒では容易ではなかった不活性結合(C-H,C-C,C-F,C-O,Si-O)の官能基化やCO2 官能基化反応を開発する。2021年度に得られた研究実績の概要は,以下の通りである。
1. メタロピンサー錯体の系統的創出に関して,配位子骨格をいくつか新規に合成し,これを用いたBおよびGa含有ピンサー配位子の創出に成功した。これらのRh錯体を合成して,構造や電子状態の比較を行った。 2. 極性σ結合活性化・官能基化に関して,Rh-Al触媒を用いるAr-OMe結合の水素化およびホウ素化の成果を纏め論文発表した。 3. Al-Rh錯体によって,ケトンのカルボニルC=O結合が活性化できることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サブテーマとして設定した「メタロピンサー錯体の系統的創出」,「極性σ結合活性化・官能基化」, 「CO2活性化・官能基化」の項 目に関して,上記の研究実績の概要に示したように,それぞれに期待通りの進展が見られたため。
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今後の研究の推進方策 |
各サブテーマについて,下記のような研究内容について取り組み,研究を推進する予定である。 1. メタロピンサー錯体の系統的創出:引き続き典型および遷移金属を配位点として有する種々のメタロピンサー配位子を合成する。特に,遷移金属含有ピンサー配位子の合成に取り組む。 2. C-H活性化・官能基化:引き続き,ルイス塩基点を有する基質の反応 ,特にC(sp3)-H官能基化を検討する。量論反応を精査しながら,触媒反応への展開を試み る。 3. 極性σ結合活性化・官能基化:C-O結合官能基化について ,脂肪族基質の反応を検討する。 4. C=O活性化・官能基化:Al-Rh錯体によるCO2やケトンのC=O結合活性化について,量論反応をさらに精査しながら,触媒反応への展開を試みる。
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