研究課題
基盤研究(A)
メモリー、センサー、エネルギー変換素子をはじめ様々なデバイスに分極機能が利用されている。しかし、現在実用化されている分極制御物質の分極変化のメカニズムはイオン変位や分子配向変化であり、電子の持つ特性・自由度が十分には生かされていない。本研究では、分極変化の源が電子移動である新しいタイプの分極制御物質を開発することを目指す。
分極制御物質はメモリー、センサーをはじめとした幅広い応用を有する。本研究では分子内電子移動をメカニズムとする新しい分極制御物質の開発を行った。分子内電子移動を示す分子としてコバルト原子価異性錯体に着目した。コバルト錯体は極性構造を有し、約190 Kで電子移動に伴う分極スイッチング特性を示した。また、低温で光誘起電子移動を示し、準安定状態が低温でトラップすること(光誘起原子価異性)を見出した。
温度、及び光誘起電子移動を利用して電気分極を制御できる新しい物質を開発した。将来のメモリー、センサ ー、エネルギー変換素子への応用が期待される。これまでの分極制御物質開発は強誘電体開発を中心に研究が行われてきた。本研究では、電子移動機構を積極的に導入することで非強誘電体において強誘電体と同レベルの分極変化を実現できることを明らかにした。本手法を用いることで今後高性能の新しい機能性分極制御物質を開発できる可能性がある。
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