研究課題/領域番号 |
20H00412
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 努 京都大学, 農学研究科, 教授 (50466687)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
45,760千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 10,560千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2022年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2020年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
|
キーワード | 生体恒常性 / 臓器連関 / 神経回路 / 栄養代謝 / 栄養代謝シグナル / 栄養 / シグナル / 食欲 / 代謝 / FGF21 / オキシトシン / Acadm / グルカゴン / 代謝性シグナル / マクロ栄養素 / 嗜好性 / 視床下部 / 脳 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「三大栄養素の各成分に対する食欲が存在し、各成分の欠乏・摂取を脳に伝えて食欲を調節するネガティブ・フィードバック機構を担う分子実体は何か?」という学術的な問いに対して、生体恒常性の維持に対する影響が大きい三大栄養素に焦点を絞り、三大栄養素の各成分に対して特異的に変動するホルモン(臓器連関シグナル)に着目して、各栄養素の成分に対する食欲を調節するしくみを、おもに遺伝子組換えマウスを用いて解明する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、三大栄養素の摂取調節機構の解明に取り組んだ。糖特異的な食欲はFGF21―オキシトシン系によるネガティブ・フィードバック制御があることを明らかにし、同定したFGF21誘導剤を用いると当特異的な食欲を抑制できることを明らかにした。また、FGF21は、糖の摂取調節よりも二桁高い血中濃度の際にはタンパク質欠乏シグナルとして作用し、タンパク質嗜好性を高めることを明らかにした。また、中鎖脂肪酸グリセリド特異的な食欲が存在し、その調節には肝臓のβ酸化が関与することを明らかにした。さらに、妊娠期・授乳期に母マウスにかつおだしを与えると、子マウスの脂質嗜好性が下がることを発見した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で同定したFGF21誘導能を持つ機能性食品成分は、生活習慣病対策としての糖分の過剰摂取対策につながる可能性がある。また、肥満を助長する長鎖脂肪酸トリグリセリドとは異なり、中鎖脂肪酸トリグリセリドには抗肥満効果が報告されている。そのため、中鎖脂肪酸トリグリセリドの摂取を促進する臓器連関に基づいた生体機序を活用することにより、長鎖脂肪酸トリグリセリドを相対的に減らし、肥満対策につながる可能性が考えられる。また、かつおだしによる脂質嗜好性の制御は、DOHaDの一種であり、周産期の栄養指導を通して子供を生活習慣病になりにくい体質にすることが可能かもしれないことを示唆している。
|