研究課題/領域番号 |
20H00428
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北川 貴士 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50431804)
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研究分担者 |
白井 厚太朗 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70463908)
峰岸 有紀 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80793588)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
36,790千円 (直接経費: 28,300千円、間接経費: 8,490千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2020年度: 20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
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キーワード | サケ稚魚 / 回遊 / 環境DNA / 代謝 / 数理モデル / 餌環境 / 耳石 |
研究開始時の研究の概要 |
日本産サケ稚魚の北上期の回遊経路を推定し,初期生活史戦略を回遊に伴うエネルギー・バランスの側面から明らかにすることを目的とする。三陸産稚魚を用いて①スタミナトンネル水槽による稚魚の呼吸代謝測定と高成長に必要な餌量の推定,②耳石酸素・炭素安定同位体比分析による経験水温・代謝履歴,数理モデルによる回遊経路推定を行い,本種の現在の海洋環境への適応状況を評価する。③稚魚採集・環境DNA分析による分布域の把握と推定経路の妥当性の検証を行う。④温暖化に伴う稚魚の海洋環境の適応可能性の検討を行い,温暖化問題を考慮に入れた将来の資源管理施策について提言する。
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研究成果の概要 |
三陸産サケ稚魚の海洋環境の適応実態を明らかにするために,飼育実験,代謝計測,数理モデルによる移動代謝コスト,餌量の推定,耳石酸素同位体比分析,数理モデルによる経験水温履歴と経路の推定,環境DNA分析による分布域推定を行った。高水温・低餌量下で,成長と運動へのエネルギー配分量は大幅に低下した。沿岸域で近年見られる暖流勢力の増大は,春季の高水温と低餌量環境をもたらし,成長できない稚魚が減耗することで,親魚回帰率が低下すると推察された。推定移動経路の中には,これまでとは異なる経路も示された。環境DNA分析からは稚魚が岸沿い,もしくは三陸から道東に向けて最短距離をとる経路の双方が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
回遊現象を,エネルギー収支という観点から理解し,それに基づき本種の将来の環境適応を予測する試みは,魚類生態学・生命科学・地球環境学の学際領域を発展させるものである。得られた成果は,海洋の施策・立法へむけた重要な基礎的根拠となり,温暖化問題を考慮に入れた21世紀後半の資源管理施策の提言も可能となる。国民一般に温暖化が重要水産生物に及ぼす影響を広く示すことは,消費国の国民すべてが,温暖化が資源問題に直結する社会問題として認識し,消費者自らが軽減にむけ具体的行動を起こすといった国民レベルでの対策を先導することに繋がる。持続可能な開発目標(SGDs)のGoal14にも通じる。
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