研究課題/領域番号 |
20H00437
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中西 友子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (30124275)
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研究分担者 |
二瓶 直登 福島大学, 食農学類, 教授 (50504065)
岩田 錬 東北大学, 先端量子ビーム科学研究センター, 名誉教授 (60143038)
杉田 亮平 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 講師 (60724747)
青木 直大 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70466811)
廣瀬 農 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (90708372)
森野 佳生 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (90712737)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
44,330千円 (直接経費: 34,100千円、間接経費: 10,230千円)
2024年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 放射線イメージング / ベータ線 / 植物栄養 / 施肥 / 肥料 / RIイメージング / シンチレータ / 画像診断 / リアルタイムイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、最適な施肥による収量の最大化を目的として、マルチモードのリアルタイムイメージング技術の開発により、各生育段階における養分の元素動態画像を取得し、収量データと合わせてコンピューターによる深層学習を行うことで、最適な施肥の数値化を図る。さらには、生育過程における1枚の可視化画像から植物内の養分、および収量予測を可能とする診断技術の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、様々な作物を対象に、リアルタイム元素動態の画像情報を取得し、その膨大な情報基盤を元にITによる解析を行い、施肥の最適化、作物診断、ならびに収量予測ツールを開発する。本技術成果は、植物工場などの生育環境の制御が可能な場における、作物の養分吸収、輸送を促進させる技術の開発にも直結する重要な基盤研究である。これまで私たちの研究グループが開発を進めてきたβ線ライブイメージング装置は、植物体内から放出される放射線をシンチレータ(放射線を光に変換する素材)により可視光に変換し、その可視光をCCDカメラで撮像するものである。撮影に用いるシンチレータは板状であり、湾曲した植物組織はシンチレータとの間に空間が生じやすく、圧着すると葉が破れる等のダメージを与える課題があった。そこでシンチレータを板状から粉状、もしくは液状にすることで様々な形状の植物に対応できる撮影技術の開発を進めてきた。植物に適したシンチレータの新規探索を行った結果、有力となりうる多数のシンチレータを発見した。これらのシンチレータの一部においては特許を申請しているところである。 植物を用いた元素動態解析においては、ダイズを中心として様々な画像を取得を行った。特に、生長段階により光合成産物が蓄積、もしくは排出する葉が明確に変化することを画像より見出しており、光合成産物の分配を制御しているメカニズムの解明を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
光合成産物が蓄積していく様子を数多く画像化したことで、光合成産物の輸送経路が切り替わるタイミングを細かく把握できた。非常に短時間で劇的に輸送方向が変わるが、再現性がよいことから、光合成産物の輸送に関わるメカニズムの解明に資する解析を詳細に解析できることが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
光合成産物の輸送方向が切り替わるタイミングに合わせてRNA-seqを行うことで、輸送の制御を担っている分子の同定を試みる。加えて、これまでに発見したシンチレータを含め、粉状シンチレータを用いることで、これまで板状シンチレータに固定が困難であった茎頂や新芽などの複雑な形状を有する植物組織においてライブイメージングによる光合成産物輸送の様子を可視化する。
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