研究課題/領域番号 |
20H00482
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 春樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70548859)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
46,020千円 (直接経費: 35,400千円、間接経費: 10,620千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2020年度: 24,180千円 (直接経費: 18,600千円、間接経費: 5,580千円)
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キーワード | 嗅覚 / 回路形成 / 神経活動パターン / ヘブ則 / 遺伝子発現 / 神経活動 / 神経回路 / カルシウムシグナル / 発達 / 神経回路形成 |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞が発する電気的な活動は、脳の発達や環境に応じた可塑的変化など正常な脳機能発現に必須の役割を担う。この神経活動は、活動電位と呼ばれる電気的パルスを単位とするスパイクの列として検出され、数百に及ぶ遺伝子の発現を制御することが知られている。しかしながら、経時的に変化するスパイク列のパターンがどのように細胞内のシグナル伝達系に読み取られ、多様な遺伝子発現が制御されているのかに関しては殆ど解明されていない。本研究では、嗅覚系の神経回路をモデルに、神経活動パターンを遺伝子発現へと変換する分子メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、マウスの嗅覚回路をモデルに神経活動依存的な回路形成機構の具体的な分子メカニズムを明らかにするべく、嗅神経細胞の神経活動の記録と操作の実験を行った。マウス嗅覚系では、発現する嗅覚受容体に規定される神経活動の時間的なパターンが、回路形成に関わる遺伝子の発現を制御することが知られている。本研究では、in vivo条件で異なる嗅覚受容体を発現する細胞は異なる神経活動パターンを示すこと、そしてその中で神経発火の頻度の違いが神経活動依存的な転写調節因子であるカルシニューリンを活性化することを介して回路形成に関わる軸索選別分子の一つであるKirrel2の発現量を規定することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の高次脳機能は、多数の神経細胞が織り成す神経回路に支えられている。この神経回路の破綻は、重篤な神経疾患の原因であることから、回路形成メカニズムの解明は基礎と臨床の両面から重要な課題であると考えられている。 一般に哺乳類の神経回路は予め遺伝的決められたプログラムに加えて、臨界期と呼ばれる発達期の特異的な時期における神経活動による洗練過程を得て機能的な回路へと習熟する。本研究では、電気的な活動である神経活動がどのように神経回路の構造へと影響を与えるのかという点に着目し研究を進めた。その結果、特定の神経活動パターンが特定の遺伝子の発現を制御するというこれまでにない新しいメカニズムを明らかにした。
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