研究課題/領域番号 |
20H00485
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60160694)
|
研究分担者 |
矢野 真人 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20445414)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2020年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
|
キーワード | ALS / 運動ニューロン / ベイジアンネットワーク解析 / iPS細胞 / RNA結合蛋白質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画では、HITS-CLIP/RNAseq/Interactomeというマルチオミクス解析にスーパーコンピュターによるiBRN法を駆使し、ALS神経変性モデルを徹底的に調べる。以上の探索から、トランスクリプトーム情報に対するネットワークハブ候補分子、ALS関連RNA結合蛋白質群の標的RNA群、相互作用蛋白質群の中で構造を持たない天然変性蛋白質群との3者の関連性に着目することで、ALS運動ニューロンの脆弱性回避と破綻の分子実態の普遍的原理解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
iPS細胞由来運動ニューロンを用いたベイシアンネットワーク解析を用いて、家族性ALSの分子病態に内在するRNA情報に対して強い影響力を示すハブ遺伝子群の探索を行い、病態に対する強い影響力を示す3つの有力なHub候補遺伝子として、PRKDC、miR-125b-5p、TIMELESSを見出した。また、DNA損傷/PRKDC阻害により誘発されるFUSの異常局在を制御する低分子化合物の取得に成功した。さらに、家族性に加え孤発性ALSの細胞モデルを樹立し、運動ニューロンにおけるコレステロール生合成に関与する遺伝子群の発現が、ALSの発症のリスクおよび治療標的の候補となる事を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RNA結合蛋白質をコードするALSの原因遺伝子FUSやTARDBPに変異を持つiPS細胞株、さらに孤発性ALS患者由来のiPS細胞を樹立し、多くのALS細胞モデルを構築し、細胞ベースの病態解析を行い治療標的となる分子群と分子経路、診断マーカー等を複数見出す事ができた。これらのALS細胞モデルは、今後さらに神経科学領域の基礎研究および治療法の確立に大きく貢献が期待されるものである。また、その分子システムの解明のための方法論として、新たにトランスクリプトーム情報の影響度で疾患の原因を再分類するベイジアンネットワーク解析(iBRNと命名)という有用な方法論を確立できたものと考える。
|