研究課題/領域番号 |
20H00514
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中西 真 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40217774)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,630千円 (直接経費: 35,100千円、間接経費: 10,530千円)
2022年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2021年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2020年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | 分子細胞生物 / 老化細胞 / 慢性炎症 / 加齢 / 発がん / 間質細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
発がんのリスクファクターには環境因子や遺伝など多くのものが知られているが、このうち加齢は最も大きなリスクファクターである。最近の網羅的なゲノム研究からがん発症と遺伝との関連については徐々に理解が進みつつあるが、なぜ加齢が発がんの最も大きなリスクファクターなのかについてはほとんど分かっていない。本申請は老化細胞蓄積促進マウス、内在性p16遺伝子座を利用したp16陽性老化細胞可視化マウス、および個体からの老化細胞除去技術を用いて、“加齢に伴う発がん過程における老化細胞の役割”を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
がん組織のp16陽性老化様間質細胞は腫瘍免疫に対して抑制的に機能し、がんの浸潤や転移、さらには腫瘍の線維化を促進することで、腫瘍の増大に強く関わっていることがわかった。実際、p16陽性老化様間質細胞を除去すると、腫瘍は有意に増大が抑制され、また中心部に見られた線維化が顕著に改善した。さらに、p16陽性老化様間質細胞除去は既存の抗がん剤投与に比較してより強く腫瘍の増大を抑制し、抗がん剤と併用すると、相加的に腫瘍の増大を抑制することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で、がん間質のp16陽性老化様細胞が腫瘍免疫に対して抑制的に機能することが明らかとなったため、今後p16陽性老化様細胞除去技術と腫瘍免疫療法を併用することで相乗的な効果が期待できる。さらに最近、p16陽性老化細胞を標的とした抗老化療法の開発が世界的に進められており、本研究成果はこれらの技術を活用することで社会実装が促進されると思われる。
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