研究課題/領域番号 |
20H00515
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井垣 達吏 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00467648)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2021年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2020年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
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キーワード | 細胞競合 / がん / ショウジョウバエ / タンパク質合成 / インスリン |
研究開始時の研究の概要 |
極性が崩壊した上皮細胞は過剰に増殖して腫瘍を形成するが、周囲を正常細胞に囲まれると細胞競合により排除される。このようながん抑制性の細胞競合は、ショウジョウバエ生体内においてインスリンペプチド産生量が上昇した状態(高インスリン血症)では起こらない。本研究では、このように極性崩壊細胞が生体内インスリンレベルに応答して細胞競合の敗者から勝者へと転じて腫瘍化するメカニズムを明らかにすることで、細胞競合の誘発メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
上皮組織中で頂端-基底極性が崩壊した細胞は過剰に増殖して腫瘍を形成するが、周囲を正常細胞に囲まれると細胞競合によって排除される。我々はこれまでに、ショウジョウバエ個体内のインスリンペプチドの循環量が上昇した状態(高インスリン血症)では細胞競合が起こらず、極性崩壊細胞が過剰に増殖して腫瘍を形成することを見いだしていた。そこで本研究では、インスリンシグナルが細胞競合を制御するメカニズムを明らかにすることを目指した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、高インスリン血症下で極性崩壊細胞がインスリンシグナルを上昇させて腫瘍化するメカニズムの一端を明らかにした。本成果は、高インスリン血症の起こりやすい肥満や2型糖尿病患者のがん罹患率の高さを説明するメカニズムの1つを提供するものと考えられる。すなわち、正常細胞は高インスリン血症によりインスリン抵抗性を獲得するが、がん原性の極性崩壊細胞はインスリン受容体の発現レベルの異常によりインスリン抵抗性が破綻し、その結果過増殖して腫瘍化することが示唆された。
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