研究課題/領域番号 |
20H00519
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷本 拓 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70714955)
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研究分担者 |
近藤 周 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 准教授 (90408401)
市之瀬 敏晴 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (20774748)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2022年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2021年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2020年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
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キーワード | 翻訳制御 / 記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
今から50年以上前、学習後のタンパク質合成が記憶の安定化に重要であることが報告された。しかし、翻訳されるべきタンパク質が何であり、神経系のどの細胞でどのように機能することで記憶が長期化するかは未解明のままである。本研究はショウジョウバエの匂い報酬記憶をモデルに、記憶の長期化を司る分子メカニズムの解明を目指す。具体的には、学習後に翻訳される候補タンパク質を細胞種特異的に同定する。細胞種特異的な遺伝子発現操作により、記憶の長期化に関わる実行因子を特定する。さらに、実行因子の動態を細胞種特異的に可視化、操作する遺伝学的技術を確立し、タンパク質の発現レベルと細胞内局在の機能的意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
記憶の長期化には学習後のタンパク質合成が重要だが、翻訳されるべきタンパクが何であり、どの細胞でどのように機能するのかは未だ明らかでない。本研究では、ショウジョウバエの匂い報酬記憶をモデルに、細胞種特異的なリボソームプロファイリング法を確立し、神経活動に依存して翻訳される候補タンパク質を網羅的に同定した。さらに比較トランスラトーム・トランスクリプトーム解析により、細胞腫ごとに翻訳効率の差異を生み出すmRNA上の構造を特定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のシングルセルRNA-seq法の普及により、ショウジョウバエにおいても標的細胞のトランスクリプトーム解析が報告されてきた。一方で、トランスラトーム解析については発展の途上にあり、その解像度は器官・組織レベルで留まっていた。本研究の高精度な翻訳活性測定とタンパク動態解析により、細胞腫特異的な翻訳制御の実体が分子・細胞レベルで初めて明らかとなり、記憶の長期化における翻訳制御メカニズムの解明に向けて先駆的なモデルを確立した。
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