研究課題/領域番号 |
20H00526
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸田 達史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30262025)
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研究分担者 |
金川 基 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (00448044)
小林 千浩 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (90324780)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
45,370千円 (直接経費: 34,900千円、間接経費: 10,470千円)
2022年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2020年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
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キーワード | 福山型筋ジストロフィー / アンチセンス核酸 / ジストログリカン / リビトールリン酸異常症 / リビトール補充療法 / AAV遺伝子治療 / 分子標的治療 / 福山型金ジストロフィー |
研究開始時の研究の概要 |
福山型筋ジストロフィー(FCMD)および類縁疾患の原因遺伝子を同定し、スプライシング異常症’であること、アンチセンス核酸治療の可能性を示した。さらに哺乳類で初めて“リビトールリン酸” 糖鎖を発見し、ジストログリカノパチー原因遺伝子ISPD、フクチン、FKRPが新型糖鎖の生合成に関与する酵素であることを見出した。本研究はジストログリカノパチーの発症原因であるリビトールリン酸修飾にかかわる酵素活性を追求し「リビトールリン酸異常症」という疾患概念を確立し病態解析を行う。治療へ向けて、アンチセンス核酸治療、リビトール補充療法、AAV遺伝子治療など、さまざまな治療実験を行い、臨床試験へとつなげる。
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研究成果の概要 |
リビトールリン酸修飾にかかわる酵素活性を組織レベルで追求し「リビトールリン酸異常症」という疾患概念の病態解析を行った。骨格筋選択的なISPD-cKOマウスを作出しジストログリカノパチー患者にみられる生化学的異常と筋ジストロフィー症状を確認し遺伝子治療やCDP-リビトール補充療法の有効性について検討、生体内でCDP-リビトールを検出する系も確立できた。テトラアセチルCDP-リビトールが最も効率よくISPD-cKOマウスの筋ジストロフィー症状を改善した。 NS-035のGLP前臨床試験を完遂、薬物動態には問題はないがやや高い腎毒性が認められ、改善方法を検討し2021年8月より医師主導治験を開始した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本固有のFCMDの治療法開発は、筋ジストロフィー研究における重要課題とされ、FCMDの治療法確立がかなり進む。生体内でCDP-リビトールを検出する系も確立できテトラアセチルCDP-リビトールが最も効率よくISPD-cKOマウスの筋ジストロフィー症状を確認した。その医薬品としての応用は画期的である。 NS-035のGLP前臨床試験を完遂させ組織移行性など薬物動態には問題はないがやや高い腎毒性が認められ、改善方法を検討した。2021年8月よりNS-035の医師主導治験を開始し進行中である。これは治療法のない不治の病にむかって、分子標的治療ができつつあるのは、患者、家族、国民にとって福音である。
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