研究課題/領域番号 |
20H00546
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山岨 達也 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60251302)
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研究分担者 |
岩崎 真一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10359606)
木下 淳 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10755648)
樫尾 明憲 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20451809)
鴨頭 輝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30807152)
近藤 健二 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40334370)
藤本 千里 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60581882)
浦田 真次 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60849404)
松本 有 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80548553)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
46,020千円 (直接経費: 35,400千円、間接経費: 10,620千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2022年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2021年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2020年度: 22,230千円 (直接経費: 17,100千円、間接経費: 5,130千円)
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キーワード | 内耳 / ミトコンドリア / 活性酸素 / 有毛細胞 / 組織透明化 / 三次元構造 / 解剖 / 蝸牛 / 前庭 / 組織 |
研究開始時の研究の概要 |
内耳には多彩な細胞が複雑に位置する特徴があり、この複雑で精巧な解剖学的特性のため、種々の病態において障害される細胞の種類や障害の程度、二次性に障害される細胞の種類や変性の程度が異なり、修復・再生の動態も異なっている。この背景から、難聴や前庭障害の病態把握には内耳内全ての組織・細胞の網羅的観察が理想的と考えられるが、内耳は骨に囲まれており、切片などを用いた断片的な観察しかできなかった。本研究では内耳透明化技術を駆使し、内耳の正常組織の詳細な組織解析および病的状態での三次元的網羅的な観察を行う。病変は老化、音響外傷、薬剤毒性などを用い、種々の細胞の動態と関係や変性と再生の過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
蝸牛・前庭・半規管の組織を透明化し、三次元的に詳細に観察する技術を構築した。前庭に近い蝸牛基底回転、前庭、半規管を、骨胞を透明化して、すべての感覚上皮がコンタミネーションなくきれいに描出できる手法を確立した。前庭の二つの感覚上皮(球形嚢斑、卵形嚢斑)および三つ(前・後・外側)の半規管膨大部を同時に描出し、核染色(DPI)、有毛細胞(ミオシン7a)、細胞骨格(ファロイジン)、神経繊維(NF200)などの免疫染色を行った。イメージング処理技術を用いて、正常例の感覚細胞の細胞カウント、各感覚上皮の三次元的形態、それぞれの感覚上皮の三次元的関係について解析した。細胞カウントは自動カウントソフトを導入してカウントした。感覚上皮の彎曲や各感覚の三次元的関係について形態の近似値を計算する数式をいくつか用いて解析した。現在、結果を論文化中である。また、障害モデルについてはゲンタシン投与マウスモデルを作成し、感覚細胞・シナプス、神経の変性および再生過程について経時的に観察を行っている。蝸牛については二酸化ゲルマニウムによるミトコンドリア障害マウスを作成し、蝸牛障害の詳細についてDNAマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子解析、聴覚と組織変化の解析を行い、抗酸化物質の障害予防効果について検討した。今後、このモデルを用いて、透明化による蝸牛・前庭の各種細胞の網羅的解析を行う予定である。またマウスの音響外傷および老人性難聴にの予備実験として、PQQの予防効果につき、ABRによる機能解析、感覚細胞、シナプス、蝸牛神経、ラセン神経節、血管条を形態学的に調べ、その有効性を確認し、論文化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
蝸牛・前庭・半規管の組織を透明化し、これらをすべて同時に三次元的に観察する技術の構築を試みているが、焦点深度の深い顕微鏡の構築が完成しておらず、この3つを同時に解析できるようになっていない点が遅れている。一方、前庭に近い蝸牛基底回転のみを残して前庭・半規管に蝸牛の一部を含んだやや狭い範囲の解析とし、透明化により平衡機能に関わる感覚上皮すべてをコンタミネーションなくきれいに描出できる方法を開発できており、蝸牛の透明化を合わせることで、サンプル数は2倍になるが、蝸牛から半規管までの解析は可能である。細胞カウントについては自動カウントのソフトを導入して順調に進んでいる。感覚上皮の彎曲や各感覚の三次元的関係については形態の近似値を計算する方法をいくつか用いて解析できている。
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今後の研究の推進方策 |
蝸牛・前庭・半規管全体を透明化によって一度に三次元的に詳細に観察する技術を構築するには焦点深度の深い顕微鏡の構築が必要であり、この完成は困難であるが、サンプル数を倍にして解析する方法により研究を推進する。蝸牛も平衡器官(前庭、半規管)の透明化による観察方法は完成しており、正常構造を解析する他、各種障害後の変性の進行や障害の内容による相違、障害後の再生の状態などを調べる予定である。障害の器官による差、同じ期間でも部位による障害の差、再生過程の差など多くの点が未知であり、できるだけ多くの病態を検討して、この分野の新しい概念を確立したい。
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