研究課題/領域番号 |
20H00587
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
東藤 大樹 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (50708394)
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研究分担者 |
藤田 桂英 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00625676)
畑 秀明 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (00713041)
石崎 孝幸 東京工業大学, 工学院, 准教授 (10650335)
河村 彰星 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (20600117)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2020年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | マルチエージェントシステム / マーケットデザイン / ゲーム理論 / 社会選択理論 / マルチエージェント / 制御理論 / 資源配分 |
研究開始時の研究の概要 |
複数の行動主体(エージェント)が自律的に行動・意思決定を行う環境であるマルチエージェントシステムは,人工知能と制御理論の分野で独立に研究されてきたが,統一的な基盤理論が不足している.本研究課題では,マルチエージェントシステムの最適化のための数理基盤の構築と応用領域の創出を行う.数理基盤の構築では,ゲーム理論,アルゴリズム論,および制御理論を融合させ,従来の理論が適用できない領域までを対象とする基礎理論を確立する.応用領域の創出では,自律移動体制御,電力市場,ならびにサプライチェーンマネジメントなどを対象とし,モデル化,シミュレーション,および実データ分析を包括的に行う.
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研究実績の概要 |
本年度は、情報伝播を誘発する安定な市場の設計理論に関する研究を推進した。本年度の研究業績として、査読あり論文7件、学会発表11件がある。国際共著論文も4件出版している。 安定な市場制度の設計のための基礎理論の一部として,カーシェアリングやジョブ割当に応用可能なマッチング問題の拡張である,ソーシャルネットワーク上での情報伝播を伴うマッチング問題のためのアルゴリズムを開発した.安定性・効率性・公平性に関する各性質と誘因制約との整合性を明らかにし,これらの性質に関してパレート支配されないマッチングアルゴリズムの開発に成功した.本研究成果は,人工知能分野で最難関の国際会議である International Joint Conference on Artificial Intelligence (IJCAI-2022) に採択され,口頭発表を行っている. また,匿名性を利用した不正に頑健な意思決定に関して,東京やローマなどの都市における交通網の簡潔なモデル化の一つである車輪グラフに着目し,車輪グラフ上での意思決定アルゴリズムの設計可能性を吟味した.本研究成果はマルチエージェント分野の難関国際会議 International Conference on Principles and Practice of Multi-Agent Systems (PRIMA-2022) に採択され,最優秀論文賞の次点に選出された. 国際交流に関する特筆すべき活動として,応用数学に関する世界最大の国際会議 International Congress on Industrial and Applied Mathematics (ICIAM-2023) にて併設シンポジウムを開催し,本研究課題の補助の下,3名の講演者を招待した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論整備について,計画に従って研究を遂行することができたほか,付随的な研究成果も得られるなど,期待以上に進行している.国際交流も順調であり,研究者ネットワークの拡大に成功している.一方,理論と実証との連係には遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には,2022年度に新たに発見した課題である,公平な社会選択に関しての研究を進める.特に,オリンピックの採点方式にも用いられる,順序加重平均 (ordered weighted average) の特性の解明に挑戦する.得られた研究成果は,国際会議や国際論文誌へ投稿する.
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