研究課題/領域番号 |
20H00605
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
湊 真一 京都大学, 情報学研究科, 教授 (10374612)
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研究分担者 |
堀山 貴史 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (60314530)
瀧川 一学 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任教授 (10374597)
川原 純 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (20572473)
番原 睦則 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (80290774)
山口 勇太郎 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (30780895)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
43,940千円 (直接経費: 33,800千円、間接経費: 10,140千円)
2024年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2023年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2020年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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キーワード | アルゴリズム / 離散構造 / 演算処理系 / 列挙 / 索引化 |
研究開始時の研究の概要 |
論理や集合などを操作するデータ構造であるBDD (二分決定グラフ)およびZDD(ゼロサプレス型BDD)を始めとする離散構造処理系の種々の問題において,「列挙問題」と「最適化問題」を車の両輪と位置づけ,単なる学術的な列挙技法に留まらず,実用的な制約充足や最適化との統合を図り,確率モデリングや機械学習応用などにも発展させることを目指す.研究成果は論文化するだけでなく,それらの演算処理体系を実装した高性能な基盤ソフトウェアを開発して種々の応用分野の研究者や技術者に提供していく.関連研究者が集まり議論する「場」を継続的に提供し,競争力の源泉となるアイデアを醸成し続けることを目指す.
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研究実績の概要 |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (i) 列挙と最適化の統合的アルゴリズム技法の研究と体系化:グラフの最短路問題のように、組合せ問題のアイテムにコストが定義されているときに、コスト総和が所与の閾値以下となるような実行可能解を列挙する「コスト制約つき組合せ問題」に対して、実行可能解集合を表現するZDDを入力として、コスト制約解集合を高速に全列挙する「区間メモ化技法」を本研究課題において前年度までに開発し発表済みであるが、本年度はこの手法をさらに発展させた。具体的には、実行可能解集合のZDDが巨大になり過ぎて本手法が適用できない場合でも、ZDDを入力とせずに、コスト制約解集合のZDDを直接生成して出力する手法を開発し、実験的に有効性を確認した。さらにA*探索アルゴリズムと組み合わせた手法の検討を進めた。マトロイドとZDD構造との理論的関係についても考察を進めた。 (ii) 離散構造処理系の基盤アルゴリズムの実装とソフトウェアの整備:BDD/ZDDをベースとする離散構造処理系のアルゴリズムは、原則として「BDDパッケージ」と呼ばれるソフトウェアライブラリとして公開されている。本研究課題で開発中の高速列挙アルゴリズムの実装もこのパッケージに順次追加されており、改良を進めている。 (iii) 関連分野との連携および応用分野への発展:学術変革(A)「アルゴリズム基盤」を中心とした理論計算機科学の研究者コミュニティと連携しながら研究を推進した。セミナやワークショップについては,学術変革(A)および各分野の第一線で活躍する研究者と連携し、研究協力者として定期的に会合し連携を深めた。海外の研究者との交流も、これまでの人脈を生かして継続的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載した通り、基本的な線形和のコスト関数に対する超高速な解列挙アルゴリズムの考案と改良を行っており、まずまず順調に進んでいると考えられる。新型コロナの影響も落ち着きを見せており、対面での打合せや学会発表も復活しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は研究期間の最終年度にあたり、将来的な発展につながるような研究成果を目指す。具体的な研究計画は以下の通りである。 (i) 線形和のコスト関数における列挙と最適化について,すでに開発した基本アルゴリズムを多様な例題に適用し,その有効性を評価する.さらに,より複雑な非線形コスト関数について引き続き検討を行い,拡張可能なケースについて実装を行う.列挙の分野で最も重要で古典的な技法であるReverse Search法による出力線形時間列挙アルゴリズムを再検討し,ZDDによる圧縮列挙法との融合による効率化ができないか引き続き検討する.劣モジュラ性やマトロイド性等,ある種の良い性質を満たす場合の挙動に関する理論的検討も継続して行い,できるだけ一般性の高い問題に対して効率の良い手法の開発を目指す.確率モデリングや統計的機械学習への応用を検討する.近年,制約充足ソルバ(SATソルバ/CSPソルバ)の性能向上が著しいことから,それらの解探索の技法とZDD技法との連携を図ることも有望な突破口となる可能性があり,SATソルバの実装技術を持つ専門家と共にさらに検討を進める. (ii) BDD/ZDDをベースとする離散構造処理系のアルゴリズムは,原則として「BDDパッケージ」と呼ばれるソフトウェアライブラリとして公開されている.本基盤研究の成果もそれらのライブラリに効果的に組み込んで提供していくことが望ましく,どのようなインタフェースが使いやすいのかも含めて検討しながら,引き続き着実に実装を進めていくとともに,今後の方向性を議論する. (iii) 学術変革(A)「アルゴリズム基盤」を中心とした理論計算機科学の研究者コミュニティと連携しながら研究を推進する.海外の研究者との共同研究も,これまでの人脈を生かして継続的に行う.本研究課題の終了後も研究分野が継続的に発展することを目指して,関連する国内外の大型研究プロジェクトとの連携も積極的に進めて行く.
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