研究課題/領域番号 |
20H00614
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
辻村 誠一 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 教授 (10381154)
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研究分担者 |
樋口 重和 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00292376)
鯉田 孝和 豊橋技術科学大学, 次世代半導体・センサ科学研究所, 准教授 (10455222)
沼野 利佳 豊橋技術科学大学, 次世代半導体・センサ科学研究所, 教授 (30462716)
橋口 周平 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (40295275)
太田 英伸 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80422103)
齋藤 真里菜 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 研究員 (90990325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
44,070千円 (直接経費: 33,900千円、間接経費: 10,170千円)
2024年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2023年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2020年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | メラノプシン / 視覚系 / 概日リズム / 光同調 / 明るさ感 / 瞳孔 / 明るさ / 色 / ipRGC / mRGC / 明るさ知覚 / 分子時計 / 光環境 |
研究開始時の研究の概要 |
2000年頃、網膜にメラノプシン細胞と呼ばれる新たな光受容器が発見された。メラノプシン細胞は概日リズムや瞳孔の対光反射、明るさの知覚等、様々な影響を生体に与えることが報告されている。研究代表者の辻村はメラノプシン細胞のみを選択的に刺激することが可能な刺激装置を開発し、メラノプシン細胞の生体への機能解明に取り組んでいる。本研究課題では、メラノプシン細胞の生体への影響として、認知プロセス、概日リズムの分子時計、免疫制御機構および脳神経活動について着目し、実験心理学、生物学、工学的手法を用いて包括的に解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題はメラノプシン細胞の生体への影響について、実験心理学アプローチ、生物学的なアプローチ、工学的なアプローチで解明することを目的としている。実験心理学アプローチでは、国立台湾大学とメラノプシン細胞による空間コントラスト感度特性への影響について、研究成果をまとめ、視覚研究の専門誌(Vision Research)に掲載された。またIEEE国際会議(CSCS2023)において、メラノプシン細胞と錐体細胞の潜時について発表し論文としてまとめた。査読付き論文として2報、国際会議論文として3報が掲載されたおり、当初の計画より進展している。 工学的なアプローチについては、国際照明委員会(CIE)にメラノプシン細胞の視知覚への影響についてDivision Reporter Reportを提出し承認された。さらに、2023年5月に開催されたCIE会議において技術委員会(Technical committee)の設立を提案し、承認された。実験系については新たにメラノプシン細胞への選択的な刺激が可能な多原色表示装置を開発し、この装置を用いてメラノプシン細胞の視知覚や認知機能への影響を検証する実験を実施している。成果の一部は認知心理学会で発表予定である。生物学的アプローチにおいては、メラノプシン細胞への選択的な刺激条件における輪回しおよび時計遺伝子の発現への影響、概日リズムの光同調に関する実験を引き続き実施している。また、定常光暴露による概日リズムへの影響を検証する実験を開始した。成果の一部は分子生物学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
実験心理学アプローチにおいては瞳孔の対光反射実験、明るさ知覚検証実験、多原色表示装置を用いた視覚的注意実験が順調に進行している。さらに台湾国立大学との共同研究でメラノプシン細胞の認知機能への影響についての研究成果を、国際論文誌に掲載した。査読付き論文誌2報、国際会議論文に3報掲載されており、当初の計画以上に進展している。工学的アプローチでは、国際照明委員会にてメラノプシン細胞の明るさ感に関する技術委員会を設立提案が承認された。さらに名古屋市立大学において、新たな多原色表示装置を開発した。生物学的アプローチでは、メラノプシン細胞による時計遺伝子発現に対しての影響、および定常光暴露条件による概日リズムへの影響についても、順調に測定を続けている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も引き続き、瞳孔の対光反射実験、および明るさ知覚実験、概日リズムへの影響を検証する実験を実施し、メラノプシン細胞の生体への影響について検証する予定である。また、国際照明委員会にて設立されたメラノプシン細胞に関する技術委員会にて明るさ感への影響をまとめる予定である。
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