研究課題/領域番号 |
20H00620
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
関嶋 政和 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (80371053)
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研究分担者 |
稲岡 健ダニエル 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (10623803)
庄司 満 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (30339139)
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 教授 (60189868)
樺島 祥介 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80260652)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
38,480千円 (直接経費: 29,600千円、間接経費: 8,880千円)
2023年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2022年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2021年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | ケモインフォマティクス / IT創薬 / 機械学習 / AI創薬 / 抗規制原虫薬 / ロボット / 自動合成 / 寄生原虫 |
研究開始時の研究の概要 |
顧みられない熱帯病と呼ばれる寄生虫・細菌感染症が熱帯地域を中心に蔓延している。近年、一つの薬を開発する費用と期間は26億ドルと13.5年とされており、機械学習を始めとする情報技術やロボット技術による効率的な創薬手法の開発が期待されている。本研究では、機械学習を用いた候補化合物を生成する生成モジュール、活性予測モジュール、物性・毒性予測を行う評価モジュールの開発、これらの予測に基づいたロボットによる化合物自動合成手法の確立、抗寄生原虫活性・毒性評価実験系の確立を行い、実験結果を随時学習モデルに反映し、新たな薬候補化合物の提案・合成・評価を行う仕組みを確立することを目指している。
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研究実績の概要 |
昨年度までに、化合物生成モデルについては、SMILESと呼ばれる化合物の表現においてヒット化合物からの最適化手法の構築を終えることが出来た(Erikawa et al.,2021)。多くの生成手法では、ChemTSのように一つの評価関数、もしくはChemTSv2のようにDscoreと呼ばれる重み付き和や重み付き積によって複数の評価指標を一つの評価関数に集約して、この関数に対して最適化している。 実際の創薬では複数の評価指標を同時に最適化して化合物を探索するため、一つの評価指標では不足である。また,重み付きの総和や総乗は重みを設定する問題が残されているほか、ドッキングスコアと薬らしさ(QED)の和や積の数値がどのような意味を持つか解釈生に問題があると考えている。そこで、今年度はパレート最適化MCTSを用いた分子生成手法の開発を行った。今年度はChemTS及びMERMAIDを拡張し、パレート最適化MCTSを用いたモンテカルロ木探索によるSMILESベースのde novo分子生成手法とHit-to-Leadの手法を開発した。これに基づき、標的蛋白質に対してドッキングしつつ薬らしい(QED)化合物の提案のfeasiblity studyを実施した。この中で合成可能性が重要であると考え、機械学習による合成可能性スコアの改善を行った。更に実際に合成を行う為に合成化学者と連携して機械学習による逆合成解析ツールを用いて合成可能な可能物のピックアップ等も行っている。上記の研究に対して、CBI学会2022年度大会においてExcellent Presentation Awards及び情報処理学会第85回全国大会において大会学生奨励賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械学習手法について、第二段階ともいえる多目的最適化を用いたde novo及びヒット化合物からの最適化手法が完成している。 その上で、既に本研究の本質である、合成可能な可能物を如何に機械学習で生成するかという問いに、実際に生成モデルで生成した化合物を評価し、どのような傾向があり、どのように実用に供していくかという工夫を重ねているため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、化合物の生成モデルについてはドッキングスコアやQEDという複数の評価関数の最適化を行うことが出来る化合物の生成モデルについて、de novoとヒット化合物からの最適化の開発を行っており、これらを用いてfeasibility studyを行ってきた経験を元に、スーパーコンピュータTSUBAMEで大規模に化合物生成を行い、化合物のウェットでの合成と抗寄生原虫アッセイを進め、本研究の取りまとめを行っていく。
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