研究課題/領域番号 |
20H00631
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤堂 剛 大阪大学, 放射線科学基盤機構附属ラジオアイソトープ総合センター, 招へい教授 (90163948)
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研究分担者 |
吉村 崇 大阪大学, 放射線科学基盤機構附属ラジオアイソトープ総合センター, 教授 (90323336)
瀬々 潤 株式会社ヒューマノーム研究所, 本社, 代表取締役社長 (40361539)
Canela Andres 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (90837585)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
36,660千円 (直接経費: 28,200千円、間接経費: 8,460千円)
2022年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2021年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2020年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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キーワード | ゲノム不安定性 / ゲノム構造変異 / 発がん / DNA修復酵素 / メダカ / DNA二重鎖切断 / 自然発がん / TLS DNAポリメラーゼ / 大腸がん / ゲノム安定性 / ゲノム変異解析 / 自然発癌 / 遺伝性高発癌変異 / ヘテロ接合性喪失 |
研究開始時の研究の概要 |
がんは遺伝子の病気と言われるように、遺伝情報の撹乱は発がんの重要要因である。多数の遺伝子を含む遺伝情報の総体を「ゲノム」と呼ぶが、我々の身体は「ゲノムを正常に維持する」精密な機構を備えており、発がんを抑制している。メダカはモデル実験動物として優れた特性を持っている。私たちは、このメダカの特性を利用し、「ゲノム維持機構の破綻」により高頻度に発がんする「発がんモデル系」を樹立している。この系を用い、「ゲノムの変異」が「発がん」にどのように繋がっているのかを解明する研究を行なう。
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研究成果の概要 |
発がんは、多様な要因と複雑な過程を経て顕れる病変である。その解明には、各要因に応答する生体過程を検証できるモデル動物が有用である。我々は、年齢依存的に全個体が大腸がんを発症するメダカ変異個体を樹立した。本研究では、本高発がん系の分子レベルでの特徴解析を目指し、培養細胞及びがん細胞を対象にゲノム構造異常や遺伝子発現の詳細な解析を行なった。更に、ゲノム損傷応答経路ネットワークの解明の一端として、他の遺伝子変異との二重変異体の表現系の観察を行った。以上の解析から、本高発がん系は、いくつかのサブタイプに分類されているヒト大腸がんの、ある特定のサブタイプとの類似性がきわめて高いことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸がんは、我が国のみならず世界的にも罹患率が高く、しかも肺がんに次ぎ2番目に死亡率の高いがん疾患である。我々が開発したメダカ自然発がん系統は、ゲノム安定性維持機構に異常を持つ為に、100%の個体で特定の月齢時に大腸がんを発症する極めてユニークな高発がん系である。本研究では、本発がん系の分子レベルでの異常が、ヒト大腸がんの特定のサブタイプと極めて高い類似性を示す事を明らかにする事ができた。本発がん系が、ゲノム不安定性によるヒトの発がんの極めて有用なモデルとなる事を示しており、科学的のみならず社会的意義も大きいと考えられる。
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