研究課題/領域番号 |
20H00649
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
大島 堅一 龍谷大学, 政策学部, 教授 (00295437)
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研究分担者 |
木村 啓二 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (00560583)
藤井 康平 北星学園大学, 経済学部, 講師 (10782716)
歌川 学 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (40356572)
山下 英俊 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (50323449)
林 大祐 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (50732848)
竹濱 朝美 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60202157)
安田 陽 京都大学, 経済学研究科, 特任教授 (70268316)
高村 ゆかり 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 教授 (70303518)
高橋 洋 法政大学, 社会学部, 教授 (80456201)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
43,550千円 (直接経費: 33,500千円、間接経費: 10,050千円)
2023年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2022年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2020年度: 11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
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キーワード | 地域分散型エネルギーシステム / 再生可能エネルギー / 温暖化対策 / 地域分散型エネルギー / カーボンニュートラル / 電力システム改革 / 気候変動対策 / エネルギー政策 |
研究開始時の研究の概要 |
1)国内外の政策形成状況、技術進歩の度合い、電源別発電コストの実情等を分析・推計し、それを踏まえて、現実的に考えられる将来シナリオを複数設定し、統合政策パッケージを提示する。それらは以下の3つの定量分析に基づく。 2)電力市場を分析するための経済モデルを新たに作成し、1)で設定した将来シナリオを外生変数として、電力システム改革によって作られる各種市場のもたらす影響を定量評価する。 3)1)2)の結果を、電力供給区域を9つに分け、新たに作成する電力需給モデルを用いて電力需給の観点から実現可能かどうか定量的評価を行う。 4)2)3)の結果を用いて、地域経済への影響を産業連関分析を用いて評価する。
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研究実績の概要 |
1)政策分析班では、日本について、電力分野の公正な競争環境の整備が進んでおらず、再エネ電力の市場統合やシステム統合が停滞していることを把握した。加えて、日本の再生可能エネルギーの導入に伴って発生していると思われるメリット・オーダー効果について、PROMODをもちいて日本の電力市場をモデル化し、2018年の需給シミュレーションにより仮想的に再エネ電気がある場合とない場合の市場価格を推計し、再生可能エネルギーのメリット・オーダー効果を定量的に推計した。 2)市場設計分析班では、電力市場のうち卸市場(前日市場)について、発電事業者と小売事業者からなるエージェントベースモデルを構築した。発電事業者については競争的な市場を想定し、電源ごとに限界費用で入札する主体と、市場を寡占しており戦略的な価格で入札する主体の2通りを明示的にモデル化し、寡占者が存在することで市場全体の取引価格が高騰することを確認した。 3)地域経済分析班では、福島県の再生可能エネルギー普及シナリオを作成した。福島県の再生可能エネルギー導入目標に太陽光発電を上積みすることで、2030年度に福島県内の電力需要量の約1.8倍を再生可能エネルギーで供給できることが分かった。また、作成済みの2011版拡張産業連関表を2015年版にアップデートした。最後に、東北地方平均では、再生可能エネルギー発電事業の約3割(設備容量比)が地域主導の事業であることが分かった。 4)電力需給・系統解析班では、2021年1月に日本で発生した電力市場スポット価格の異常高騰に焦点を当て、その要因を探るべく、各種統計データ、公開文書を元に調査した。また、2030年に,東日本地域に,PV43GW, 風力44GWを連系し,地域間連系線を増強する場合について,電気自動車充電,ヒートポンプ(HP)加温と揚水発電の時間プログラムの適切な組み合わせ考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの影響を受けたが、2021年度の課題はほぼ達成している。
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今後の研究の推進方策 |
1)政策分析班では、2022年2月から始まったウクライナ戦争のシステム改革への影響を検討する。ウクライナ戦争については、エネルギー危機と呼ばれる様相になっているが、日本政府はこれを脱炭素に活用するようになる。その結果としての、原子力発電の振興政策に留意しつつ、脱炭素のあり方を検討する。 2)市場設計分析班では、異なる市場の組み合わせからなる電力市場の分析に向けて、発電容量を取引する需給調整市場をモデルに加える。また、国内の市場構造を前提とした分析が可能となるよう、国内の電源や電力需要についてのデータ整備を進める。 3)地域経済分析班では、福島県を対象とした省エネルギー技術のボトムアップシナリオを作成し、既に作成した再生可能エネルギー普及シナリオと2015年版拡張産業連関表を用いて、福島県の脱炭素化による地域経済効果を定量評価する。また、関東地方における再生可能エネルギー発電事業の所有構造を分析して東北地方と比較することで、首都圏と地方の再生可能エネルギー発電事業の地域所有率の違いを明らかにする。 4)電力需給・系統解析班では、東日本及び西日本の広域エリアについて、2030年に、石炭火力と原子力発電を停止させる場合について、OCCTOの長期計画を参照して地域間連系線の拡張、電気自動車充電とヒートポンプの組み合わせ、蓄電池導入の必要規模、デマンドレスポンスの必要規模を推計する。IEA Net Zero シナリオを参考に、2030年に再エネ電力比率60%を達成する方法を考察する。風力、太陽光出力の地域特性を考慮して、デマンドレスポンスの必要量について、各種のケースを比較する。
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