研究課題/領域番号 |
20H00654
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松元 慎吾 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (90741041)
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研究分担者 |
武田 憲彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (40422307)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
46,670千円 (直接経費: 35,900千円、間接経費: 10,770千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2020年度: 30,550千円 (直接経費: 23,500千円、間接経費: 7,050千円)
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キーワード | パラ水素誘起偏極 / SI-PET / 分子イメージング / 超偏極13C MRI / 代謝 / 量子生命科学 |
研究開始時の研究の概要 |
超偏極タグは、安定同位体である13Cや15Nで標識した分子の核偏極率を数万倍に励起することにより、放射性同位体標識に匹敵する高感度検出を実現する新しい分子センシング技術である。核磁気共鳴画像(MRI)を用いて陽電子放出断層撮影(PET)の様な分子イメージングが可能になる反面、3T以上の超伝導磁石と1Kの極低温条件を必要とする現行の動的核偏極型の13C偏極装置の導入費用は数億円に上る。本研究では、1)水素ガスを用いた常温・低磁場核偏極により、現行装置の10分の1の低コストで導入可能な安定同位体標識によるPET様の分子イメージング技術を実現し、新たな疾患の診断法を創出する。
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研究成果の概要 |
本研究では、常温・低磁場核偏極技術により、現行の動的核偏極型の5分の1の低コストで、かつ1-2分の短時間で励起可能な安定同位体標識によるPET様の分子イメージングの実現と、種々の疾患モデルにおいて、臨床に繋がる新たな画像診断法を確立することを目的に3年間の研究を実施した。13C励起装置開発では、パラ水素誘起偏極では世界最高レベルの偏極率5%の超偏極[1-13C]ピルビン酸の製造を実現し、2021年より共同研究する民間企業より研究用装置として製品化した。ピルビン酸による老化や炎症性疾患の評価に加え、超偏極13Cフマル酸による肝障害における細胞死の非侵襲イメージングに世界で初めて成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超偏極13C MRIは放射線被爆リスクの無い安定同位体標識でPET様の分子イメージング診断が実現できるMRIの先端技術である。世界10ヶ所以上の施設でがん診断を中心に臨床研究も進められているが、現行の動的核偏極DNP型の13C装置は1時間以上の励起時間と数億円の初期コストなどの問題から、汎用の医療機器にはなり難い。パラ水素誘起偏極型の13C励起装置が実用化され、有用な適用診断が確立されれば、励起時間は1-2分、臨床コストはDNP型の5分の1以下が見込め、また使う時にだけMRI室に移動できるポータブル型の装置が実現でき、超偏極13C MRI診断の一般病院への普及が期待できる。
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