研究課題/領域番号 |
20H00658
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮田 完二郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50436523)
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研究分担者 |
谷口 陽祐 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (00452714)
劉 学瑩 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 研究員 (30777470)
藤 加珠子 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 研究員 (90342732)
林 光太朗 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 研究員 (00780660)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2020年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | 核酸医薬デリバリー / ナノ医薬 / 機能性核酸 / 生体適合性高分子 / 薬物送達システム / 核酸医薬 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代の医薬品開発の大きな課題として、血液-脳関門を備えた脳疾患部位への中分子医薬デリバリーが挙げられる。そこで本研究は、血液-脳関門を突破して脳疾患部位に到達する革新的核酸医薬デリバリー技術を創出する。具体的には、精密調整されたサイズ、脳血管内皮細胞認識能、および細胞内移行能が揃った核酸医薬デリバリーシステムを構築し、静脈内投与を介して安全かつ効率良く脳疾患部位に核酸医薬を送達する。
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研究実績の概要 |
本研究では、脳内に核酸医薬を効率良く送達することのできるデリバリーシステム(あるいはナノ医薬)の開発を目標にした。この目標を達成するために、1~2 分子のポリマーと1分子の核酸医薬から形成される最小スケールのナノ医薬「ユニットポリイオンコンプレックス(uPIC)」を基盤技術として一連の研究を推進した。本年度は、(i) uPIC脳組織内分布評価、および (ii) 脳標的化リガンド導入に向けたuPICの改良、を中心に評価を進めた。(i) に関しては、前年度までに最適化された組成のuPICを用いて、脳内での組織浸透性評価を行なった。具体的には、蛍光標識核酸医薬を用いてuPICを調製し、脳室内投与後の脳組織内での分布挙動をin vivoイメージングシステム等を用いて観察評価した。その結果、核酸医薬単体と比して、uPICは投与部位近傍に滞留している様子が観察された。これより、uPICを用いた場合、その投与部位が治療標的に対して大きな影響を与える可能性が示唆された。(ii) に関しては、uPICを構成するブロック共重合体の改良、およびuPICに搭載すべき核酸医薬の機能化を検討した。前者に関しては、uPICを構成するY字型ブロック共重合体をグラフト共重合体に転換するという方法論を検討した。結果として、Y字型と同様に、グラフト共重合体を骨格に用いてもuPICが生体内で安定化されることを確認した。一方、核酸医薬の機能化に関しては、特殊な構造の機能性分子を化学修飾することで、核酸医薬の細胞内移行率を劇的に改善することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、uPICを用いた脳組織への核酸医薬デリバリーが進められている。具体的には、uPICを構成するブロック共重合体の設計評価、uPICの脳集積性/組織分布を含む生体内機能評価、および搭載する核酸医薬の機能化が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
脳梗塞などの脳疾患モデルに対するuPICの核酸医薬デリバリー効率を評価するとともに、機能化された核酸医薬とuPICデリバリーのシナジー効果を検証する。
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