研究開始時の研究の概要 |
本研究は, 現在開発中である2020年度の外国語活動の教科化に向けた, 児童が主体的に活用できる電子教材(アプリケーション)の単元の継続開発及び, 昨年度機能に加えた到達度自己評価システムに自己の英語の録音及び例文との比較機能を加えた新たなデジタルポートフォリオ機能の開発を行うことによる, 学習意欲, 学習効果のさらなる向上やその有用性を検証するものである。さらに本年度は, 今後到来が予想されるBYOD社会に対応するため, 特定のタブレットPCだけでなく, スマートフォンなどの小型端末への対応も行う事で, 家庭と学校とで連携した英語学習のあり方についても考察していく。
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研究成果の概要 |
児童が主体的に活用できる電子教材の単元の継続開発及び,自己の英語の録音及び例文との比較機能を加えた新たなデジタルポートフォリオ機能の開発を行なった。大阪大学大学院医学系研究科数理保健学研究室(大野ゆう子教授,藤井誠研究員)および関西大学初等部堀力斗教諭の協力のもと,RCT(ランダム化 比較試験)により、本アプリケーションと比較対象として学習内容的に同等レベルの電子ブックを活用し,とりわけ英文法の定着率や正確性を比較検討した結果、本アプリケーションに学習効果だけでなく、デジタルブックと比べ、継続性があり、BYOD社会に対応した学校と家庭での連続的に学びに適しているということが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外国語科の目指す資質・能力の三つの柱のうちの一つである「知識及び技能」の目標は「外国語の音声や文字,語彙,表現,文構造,言語の働きなどについて,日本語と外国語との違いに気付き,これらの知識を理解するとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。」と設定されている。この目標に着目し,子どもたちの気づきや言語を習得する過程を明らかにした上で,ICTを活用してより効果的に,かつ児童が主体的に活用できる電子教材の開発をすることで,情報化社会に対応した,外国語教育の1つのあり方を示す。
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