研究課題/領域番号 |
20H00705
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1160:社会学、心理学およびその関連分野
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研究機関 | 医療法人新淡路病院 |
研究代表者 |
黒田 香苗 医療法人新淡路病院, 公認心理師/臨床心理士
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 統合失調症 / メタ認知トレーニング / 認知機能 / 自己効力感 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症患者の社会復帰、特に就労定着を妨げる要因の一つとして、自己評価の低さに起因した生活に対する自信の欠如が強く影響していると考えられ、自己効力感の低下に繋がる可能性が高い。本研究ではデイケア通所中の統合失調症患者に対してメタ認知トレーニング(MCT)を行い、未だ明らかとなっていない自己効力感及び認知機能への影響を検討することを目的とする。
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研究成果の概要 |
メタ認知トレーニング日本語版(以下、MCT-J)を地域在住の統合失調症患者に実施した。MCT-J が統合失調症患者の自己効力感に及ぼす影響については明らかにされていないため実施前と実施後に、陽性症状、認知機能、自己効力感が変化するかを調べ、陽性症状、自己効力感は有意に改善した。MCT‐Jは陽性症状を抑え、地域で生活する精神障害者、特に統合失調症患者の低い自己効力感を改善させる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症患者の社会復帰を妨げる要因として、対人関係、日常生活機能、就労などの社会的機能障害の他に、自己評価の低さに起因した生活に対する自信の欠如が強く影響している(池淵, 2012)と考えられている。この統合失調症患者の地域生活に対する自信不足は、“ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことができるかという個人の確信”である自己効力感の低下に繋がる。しかし本研究により、MCT-J の実施が自己効力感を改善する可能性があり、地域生活の定着や社会復帰を促進する一助になるのではないかと考えられる。
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