研究課題/領域番号 |
20H00717
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1170:教育学・教育社会学関連
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研究機関 | 市立札幌大通高等学校 |
研究代表者 |
西野 功泰 市立札幌大通高等学校, 教諭
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2020年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 職業観 / 地域貢献人材 / 課題解決型学習 / 地域連携 / 貧困 / 機会格差 / 学校の社会的役割 / 学校の存在意義 / 課題解決型学習プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
子どもの貧困・機会格差の解決が政策課題となる中で、育った家庭環境等に関わらず、全ての子どもが多様な人との関わりや経験を積むことで、社会の担い手として必要な「資質・能力」を育成することが教育課題となっている。申請者が勤務する札幌市は、19歳以下の生活保護受給率が全国平均1.27%に対して4.1%と高く、子どもが相対的貧困にあることが社会問題となっており、学習や進路選択、人生設計にまで大きな影響を及ぼしている。こうした生徒たちを対象として、教育における機会格差の是正に資する学習プログラムを研究開発し、地域貢献人材を育成する課題解決型学習プログラムの研究開発を試みる。
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研究成果の概要 |
生徒たちから、地域に自らも貢献しようという自覚(職業観)を引き出すために、地域資源連携に基づき、多様な大人と協働しながら学ぶ、課題解決型学習プログラムを研究開発した。 研究成果は主に二つある。第一に、生徒の語りを分析した結果、「『価値』を感じる出会いを、この土地で経験した」という語りに見られるように、地域を学びの場とすることで、自分が暮らすまちの価値を発見し、周囲の環境を捉え直すことで、地域貢献人材としての自覚が芽生え、職業観の深まりを確認することができたことである。第二に、学校の存在意義や社会的役割を捉え直すにあたり、地域とのネットワーク構築が必要不可欠であることを改めて示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生徒たちは様々体験を通じて、自分たちが暮らすまちの価値を、これまでとは違った視点で捉え直している。まちや地域の課題をテーマとした、課題解決学習を取り上げた教育活動が全国的に広がりを見せる中、「地域貢献のために何ができるか考えましょう」という学習活動では不十分であり、地域の人と連携して活動すれば良いというわけではない。 本研究の学術的意義は、職業観の形成を目的とし、地域連携を手段とした授業モデルを実証的に示したところにある。また、その社会的な意義は、この実践で学んだ生徒たちが自分たちの暮らすまちに価値を見出し、そこで生きる意味をつくり出し、地域に貢献しようとする新たな自分が形成されたことにある。
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