研究課題/領域番号 |
20H00747
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1180:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
櫻井 久惠 国立極地研究所, その他部局等, 学術支援技術補佐員
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 海洋教育 / プランクトン / 樹脂封入標本 / 映像資料 / 学校教材開発 / 教員対象教材検討会 / 中学校理科 / アンケート分析 / 海洋教育教材 / プランクトン標本 / 生体映像 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、海洋教育がいまだ多くの学校で取り組めない理由のひとつが使いやすい海洋生物教材の不足なので、海洋生態系の重要な担い手のプランクトンを、生徒一人ひとりが手に取って観察でき、学校教育で使用可能な実物標本の教材にすることが第一の目的である。そのため、扱いにくい液浸標本を樹脂封入標本に加工する技術改良を行う。併せて調査風景や生体の映像を教材用に編集する。さらに教員を招いて教材検討会を開き、通常授業で使いやすく、学校のカリキュラムに沿い、海洋生物の多様性・海の食物連鎖・海洋保全等ESDのテーマへの関心に繋がる学びに役立つ海洋教育にふさわしい高品質な教材がどうあるべきかの検討を行う研究である。
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研究成果の概要 |
標本作成方法の改良を樹脂の種類と研磨の面から検討した。また、海洋観測と生体の映像教材、標本観察補助具と観察マニュアルを作った。 中学12校理科教員20人へ「教材検討会」を実施。本標本は学校教材で使える、映像資料は生物をより深く知れる、理科単元の無脊椎動物、動物の分類、生物どうしのつり合い、食べる・食べられるの関係の順に利用可能性が高いと評価された。授業スタイルは研究者の「出前授業」を求める人が多く、研究者視点の話を聞かせたい、教員自身の海洋や海洋生物の知識不足が理由に挙げられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物プランクトンを対象とした樹脂封入標本の製作は脆弱な生物が多いことが主な理由で、まだ一般化しているとは言い難いが、今回の改良によりハードルを下げることができ、教育現場で扱いやすい標本の提供に近づいた。現物である標本の価値に加え、観測現場で得られた映像を併用することで、教育的価値を高めることが検証できた。件数は少ないが、今回中学校理科教員の評価を得たこと、学校の観察器具の整備状況を調べたことで、今後教材化する課題も具体的に見えた。海洋教育がいまだ多くの学校で取り組めない理由の一つが使いやすい海洋生物教材の不足なので、今回の教材開発研究は社会的意義があると言える。
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