研究課題/領域番号 |
20H00764
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1180:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
松田 登紀 奈良女子大学, 附属幼稚園, 教諭
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
450千円 (直接経費: 450千円)
2020年度: 450千円 (直接経費: 450千円)
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キーワード | 写真 / 幼児教育 / 省察 / 記号論 / 教師の専門性 / リフレクション / 記録 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複雑で曖昧な保育実践を「写真」という媒体で切り取る行為とその「写真」を活用した実践後の対話によるリフレクションによって、子どもの資質・能力発揮の観点を教師が見出せるようになるということが、子どもの多様な学びや育ち・遊びをみとる能力とつながるのであり、これがさらに次の実践での子どもの豊かな学びや育ちを促し、保育の質向上へとつながっていくのではないかという仮説を立て、保育実践における「写真」という媒体の有効な活用方法及び記録性について研究する。
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研究成果の概要 |
本研究では、保育実践における写真の特性を明らかにし教師の専門性向上に寄与することを目的とした。 その結果、写真は現実を再構成して提示する表現でありその表現は現実そのものではないこと、観者の経験や内的思考により見え方が変化すること、が明らかになった。また保育実践者が「撮影する」行為は(1)保育実践における新しい行動様式である、(2)「不介入な行為」としての身体性をもつ、(3) 写真を用いた記録に時間的構造をもたらす、(4) 保育実践をインデックス的に切り取る可能性がある、(5) 保育実践者の内省を促す、(6)「リフレクション・イン・アクション」に通じる、ことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、教師の専門性を高める研修や日々の保育の振り返りに写真の活用を推進する動きがある。 本研究で明らかにした①そもそも写真という媒体はどのような特性をもつからこそ保育実践や研修への活用が有効であるのか、②保育実践の営みにおいて、これまでになかった「撮影する」という行為が、保育実践に、実践者自身の思考のプロセスにどのような影響をもたらしているのか、という研究成果は、今後の教師の専門性を高めるための研修デザインや実践におけるI C T活用の在り方について一定の方向性を提示していると考える。
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