研究課題
奨励研究
OECD・PISA2000年以降, 科学的リテラシー育成の視点が定着化されたこと及び国際的な動向から, 理科においても, 自然災害の取り扱いが, 人間生活との関りの中で捉えられていることを示す。さらに, 国際的な学力調査問題から, よりオーセンティックな理科で求められる資質・能力を明らかにする。それらを踏まえて, 科学的リテラシー育成を重視した教材の開発や防災におけるプログラミング教材の有効性などを明らかにする。
文献調査を基に、防災教育の現状と課題を明らかにした。それを基に、①教科間で、自然災害の取り扱いの連動性が求められること。②教科での学習内容と災害安全を繋げる授業実践が求められること。③ESDやSDGsと関連させた防災教育の取り組みを学校教育で実施していく必要があることなどを指摘できた。また、「安全に関する資質・能力(思考力・判断力・表現力)」の目的に即した教材を開発し、実践した。その結果、災害時、適切に意思決定・行動選択するには、情報を整理したり、状況を評価する資質・能力の育成が求められることや学習した「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」は連動することなどが明らかとなった。
近年、平成27年9月関東・東北豪雨、平成28年(2016年)熊本地震、平成29年7月九州北部豪雨、平成30年7月豪雨、平成30年北海道胆振東部地震、令和元年房総半島台風、令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨と自然災害が多発している。自然災害に対する防災教育にも課題が見られる。実際に発生した自然災害時の被害状況等を踏まえて、何のために避難するのかを根拠を基にして、子ども自身が考えることが必要であると言える。本研究は、現在の学校教育における防災教育の現状と課題を明らかにすると共に、上述した防災教育の課題解決のための具体的な手立てに取り組み、国内における自然災害による被害を減らす意義を持つ。
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理科教育学研究
巻: 61 号: 2 ページ: 287-297
10.11639/sjst.20011
130007944812
巻: 60 号: 3 ページ: 569-577
10.11639/sjst.19052
130007832200