研究課題/領域番号 |
20H00824
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1190:特別支援教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡本 義治 筑波大学, 附属桐が丘特別支援学校, 教諭
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
400千円 (直接経費: 400千円)
2020年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 重度・重複障害児 / 共同注意 / トランスクリプト |
研究開始時の研究の概要 |
共同注意は、重度・重複障害児のコミュニケーションや発達の視点として重要である。重度・重複障害児の共同注意は、臨床事例によって検討されてきていることから評価指標となると考えられる。しかし、自然な相互交渉の場における体系的な評価指標は示されていない。本研究では、学校現場での重度・重複障害児45名の共同注意の特徴を、トランスクリプト(継時的記録)による質的変化過程から分析し明らかにする。そして、そこでの教師の働きかけと重度・重複障害児の特徴に基づき、有効な働きかけと共同注意評価指標の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、共同注意評価指標の構成要素の一つである、重度・重複障害児への教員の働きかけと、児童・生徒の共同注意の特徴を明らかにすることを目的とした。そこで、学校における個別学習場面の記録から分析データを抽出し、トランスクリプトによる質的変化過程の類似項目から分析した。その結果、教員は認知機能を考慮した働きかけを行い、児童・生徒は認知機能に対して二項関係形成から三項関係への様相を特徴として示していた。特に、教材に視線を向ける、教材を見ることで共有するなど、視線が重要な指標となると考えられた。今後の課題は、共同注意の評価指標の作成と教員の働きかけを検証する必要が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究では、共同注意の形成は明らかにされてきたが、重度・重複障害児の指導のあり方に対する具体的な指標が得られず、授業改善につながりにくい課題が示されていた。本研究の成果は、学校現場における教員と重度・重複障害児の共同注意に関する実態を把握する点で、学術的意義を有すると考えられた。また、本研究は重度・重複障害児への授業改善や指導に関する方略だけでなく、重度・重複障害児の共同注意を考慮した環境設定や教材などに活用でき、重度・重複障害児の合理的配慮を提供する際の根拠となる点で、社会的意義を有すると考えられた。
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