研究課題/領域番号 |
20H00836
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1190:特別支援教育関連
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研究機関 | 九州ルーテル学院大学 |
研究代表者 |
増本 利信 九州ルーテル学院大学, 心理臨床学科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2020年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 特別支援教育 / 眼球運動トレーニング / 通級による指導 / 読み困難 / 視覚認知 / 読み能力 / 眼球運動 / 視知覚認知 |
研究開始時の研究の概要 |
文字を滑らかに追視することが難しいことで、文章の読みの困難さが見られる児童に対して、眼球運動の特徴を眼球運動解析装置による注視点の推移分析と、視覚認知および眼球運動評価によって明らかにすることを第一の目的とする。 また、小学校の通級指導教室において一定期間の同質な眼球運動トレーニングを行い、その前後において上記の評価を実施する。それを用いて、眼球運動および視覚認知にどのような変容が及んだかについて精査することを第二の目的とする。
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研究成果の概要 |
眼球運動の観察評価において、「衝動性・滑動性眼球運動」ともに有意な改善が見られた。視覚認知能力において、「目と手の協応動作」「視知覚速度」「視覚分析」の指数において有意な改善が見られた。有意味文読みでは「所要時間」「視線の総移動距離」に有意な差が見られた。無意味文においては有意な差は見られなかった。 これらから、眼球運動と視知覚認知トレーニングを4ヶ月程度継続することにより、眼球運動能力が改善するとともに、目と手の協応動作や視知覚認知速度と視覚分析能力が向上すること、音読時の視線の総移動距離が減ることで音読所要時間が短縮する可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
読みの困難さの背景にある眼球運動を含めた視知覚トレーニングについて、通級による指導の担当教諭が指導時間に導入しやすいルーティンを作成し、4ヶ月間の継続指導を行った。児童の眼球運動や形を理解する能力の向上が見られ、効率的に早く読む姿が見られた。 本研究において教育現場で用いられることが増えた眼球運動トレーニングについて、短時間で実施する手順を示し、一定期間の継続が向上につながることを認めたことにより、今後、必要な児童生徒への指導方策として適切なアセスメントの元に導入されることを期待している。
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