研究課題/領域番号 |
20H00872
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1200:教育工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡邉 武 東北大学, 工学研究科, 技術専門職員
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2020年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 煙体験訓練 / 中性帯 / 防火 / 防災 / 火災 / 避難 / 安全教育 / 防災教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、火災時の行動を効果的に身につけるための防災訓練のスキームの開発である。火災時の避難に特化した訓練には、煙の怖さを疑似体験できる煙体験も行われているが、実際の火災時では光や炎、熱、音、臭いなどの様々な刺激によって、恐怖や不安でパニックに陥ることが懸念される。特に従来のテントを使用した屋外煙体験では、火災時の避難方法を学ぶ訓練としては十分でなかったため、実際の火災現場に近い屋内で体験させ、火災時の様々な刺激が避難者に与えるストレスや行動の変化を解析することで、パニック防止や学習に効果的な訓練を考案する。
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研究成果の概要 |
学校や大学では火災時の避難方法を学ぶため,煙が充満したテントの中を避難する体験訓練(煙体験訓練)が実施されている.しかし実際の火災では煙だけでなく,異臭や警報音などが避難者のストレスとなるため,これらに対応するための新しい煙体験訓練を試行した. その結果,訓練の違いによってストレス(脈拍数や緊張度)は訓練の有無で差が見られなかったが,避難行動は訓練することで実施率が上昇した.また,普段あまり経験しない火災警報の音,煤けたような臭い,中性帯の3つが火災の臨場感を高める上で有効であった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は大別して次の3点である.(1)煙体験訓練を受けることで,避難時に煙や火を避ける行動をとりやすいことを明らかにした.(2)従来の煙体験訓練には聴覚や嗅覚への刺激が不足していることを明らかにした.(3)同時に避難する人の有無によって避難時間が変化する可能性があることを示した.以上より,適切な避難行動を習得するための方法として,新しい煙体験訓練を実施することは,訓練の重要性を理解させる上で社会的意義がある.
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