研究課題/領域番号 |
20H00916
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
2140:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
高橋 一英 函館工業高等専門学校, 技術教育支援センター, 技術長
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 –
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
330千円 (直接経費: 330千円)
2020年度: 330千円 (直接経費: 330千円)
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キーワード | 鋳砂水分 / 鋳砂乾燥 |
研究開始時の研究の概要 |
鋳造品の良否は、鋳砂の水分量が大きく影響する。1400℃の溶解鋳鉄を鋳型に流し込めば、鋳型内の鋳砂水分が急激に蒸発する。このとき、高温の凝固鋳鉄を急激に急冷させる。冷却速度、恒温温度と保持時間は、TTT曲線(恒温変態曲線)と関係しており、鋳鉄硬度HRBを決定する。鋳物硬度が許容以上に大きければ、後工程フライス切削時のエンドミル破損を招く。また、鋳砂水分が多ければ、急激な凝固収縮による鋳巣の発生を招くなど、歩留まりが悪くなる。鋳砂の適正水分量は優先的に解決しなければならない因子であり、鋳物良品を作るには鋳砂の適正水分量の調整が重要である。
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研究成果の概要 |
鋳造品の良否は、鋳砂の水分量が大きく影響する。1400℃の溶解鋳鉄を鋳型に流し込めば、鋳砂水分が急激に蒸発、注湯鋳鉄を急冷させ鋳型内の冷却速度に影響するため、鋳鉄硬度を左右する。従来、鋳砂水分調整は週単位の自然乾燥を採用していたが、“熱風乾燥機で短時間に強制乾燥できる簡便な調整システムの構築”は、鋳砂水分調整の効率化、労力軽減、急激な凝固収縮による鋳巣発生を抑え、鋳物良品の歩留りを向上させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鋳砂水分の適正量調整に関する研究の成果は、鋳造作業の省力化や鋳砂水分による鋳物硬度の簡単制御の可能性が期待される。鋳砂水分量は、鋳型内部の急冷期間における組織変態に大きく影響を与える。すなわち等温保持(TTT線図)の温度・保持時間に大きく関係しており、鋳砂水分量が多いと等温保持が不安定となり組織が硬化する。鋳砂水分の適正量調整方法の確立は、鋳砂水分の観点から鋳物硬度を間接的に制御する期待ができ、学術的に意義がある。
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